米SEC、ICOの芸能セレブ「広告塔」は違法の危険性、報酬を明記せよと警告

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Photo via Visual Hunt

<ピックアップ> SEC: Celebrity ICO Endorsements Could Be Illegal

国内でもCOMSAが100億円を超えるセールスに成功し、ますます新しい資金獲得の手法として注目を集めるICO(新規コイン公開)ですが、同時に詐欺やトンデモ案件が多いことでも有名です。著名投資家のフレッド・ウィルソン氏のブログに合わせて私もこのようなまとめを書いております。

狙った詐欺じゃなくてなんとなく違法っていうのがやばいんですよね。

この詐欺に関して、ひとつ大きな役割を果たしているのが著名人たちの存在です。図らずも前述の記事に書いた円天事件やペニオク事件なんかも芸能人がわんさと関わったことで一般の目にも触れることになったのでご存知の方も多いと思いますが、ICOもまた例に漏れずというか、推薦人ということでアドバイザーみたいなところに有名人が並んでいることがあります。

問題はその人たち、ほぼ間違いなく報酬貰ってるってことを買う側がどれぐらい知ってるんだということです。今日の話題はそちらに関するもの。

米SECが発行したこちらのお触れはストレートに「Statement on Potentially Unlawful Promotion of Initial Coin Offerings and Other Investments by Celebrities and Others」、つまりセレブによるICO違法宣伝に注意せよ、というものです。投資家向けの警告もありますが、どっちかっていうと芸能セレブたちに「お前らもうちょっとなんとかせいよ」という内容です。具体的にはこの箇所ですね。

「Any celebrity or other individual who promotes a virtual token or coin that is a security must disclose the nature, scope, and amount of compensation received in exchange for the promotion.(いかなるセレブや個人であってもバーチャルトークンを宣伝する場合、その対価として受け取った報酬の量や種類、範囲を開示しなければならない)」

日本ではステマ問題で話題になった「優良誤認」があるので、広告の場合は開示としてその旨を伝えなければなりませんし、また、そもそもこのICO自体が詐欺だった場合は円天やペニオク同様、その一部を担う危険性があります。

国内でも独自にICOをしようという話題がちらほら聞こえてくるようになりました。その概要を見て「あ、この人知ってる!すごい実業家の人だ!この人も参加してるんだすごい」と思っても、ホワイトペーパーをよく読んでください。彼らもまたトークン配布の対象になっている場合もありますし、そこの明記が曖昧な時はさらに危険かもしれません。

via Coindesk, SEC

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