働き方の改革は、世界でも通用するか?——元パラフトの中川亮氏、海外展開企業向けに即戦力人材を提供する「SEKAI.WORK」を立ち上げへ

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.11.28

連続起業家の中川亮氏に初めて会ったのは、おそらく、5年ほど前のサムライインキュベートのイベントだったと思う。当時、彼はシェアゼロというスタートアップを立ち上げ、オフィスの空きスペースを持つ企業と活動場所を探す起業家を結びつける事業を始めていた。彼はその後、渋谷駅前にコワーキングスペースの Lightningspot(のちに、運営主体はシェアゼロから芳徳に事業継承)、仕事紹介サービス「Prosheet」を展開するパラフト(現在は、共同創業者の山田勝が代表)を立ち上げている

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THE BRIDGE の読者ならご存知のように、先ごろパラフトはクラウドソーシング事業を行うランサーズに買収された。事業をまた一つ形にし、そして次なる事業の種を探しに出かけたアジアから帰国した中川氏は開口一番、私に「次は世界を舞台にしたサービスを始める」と語った。労働人口減少に直面し、生産性の向上が一層求められる「働き方改革」のコンセプトは、どうやら海外への進出や事業展開をする企業やスタートアップにも応用できるというのだ。

日本企業が海外事業を行う上で大きなボトルネックとなるのは、言葉や文化・商習慣の違いなど。大企業であれば、日本から中長期スパンで現地駐在員を送り込み、日本語の達者な現地のネイティブスピーカー社員を雇って体制を整える、というのが常套手段だ。ところが、中小企業やスタートアップならどうだろう? 優秀な人材を揃えるのは、国内のみならず海外でも骨が折れる仕事だ。ならば、そこに中川氏がパラフトで培った、パートタイムや人材のシェアリングの考え方を持ち込んではどうだろう、というのが「SEKAI.WORK(セカイワーク)」の掲げる提案だ。

現在、サービス立ち上げと並行して、登録者を集めているところ。ミャンマー、バンガロール、ベルリン、バンコク、アメリカ西海岸など活動場所は世界各地ですが、当初は特に ASEAN 地域にフォーカスします。即戦力スキルを持つ現地の日本人、または、日本語が話せる現地人を中心に、初年度3,000人の登録が目標。(中川氏)

企業に対する役務のサービス提供においては、海外在住日本人がお手伝いしてくれるトラベロコ、海外出張手配・管理の BORDER、海外の展示会出展を支援する OUTBOUND、翻訳・ローカライズサービスの YaQcel などと提携し、業務の細分化・アウトソーシングを進めることで、フルタイムワーカーでなくても業務が滞らない環境を側面支援する。

SEKAI.WORK が取り扱う人材の多くはフリーランサーであるため、SEKAI.WORK が介在することで、どれだけの付加価値を生み出せるかが肝になるだろう。これはあらゆる仲介ビジネスやマッチメイキングサービスの課題であるが、この点について、中川氏は次のように語ってくれた。

確かに、(顧客企業とフリーランサーが)直接契約してしまうというケースは出てくるかもしれない。その場合は、紹介料をもらって、ワンショットで終わらせるというのでも構わない。ただ、コンプライアンス上の都合で企業側が個人と直接契約できないとか、報酬支払の決済が難しいとか、そういうところで SEKAI.WORK が間に入る価値は結構出せるんじゃないかと思っています。

そして、SEKAI.WORK のもっと重要な機能が、人材の選定です。Freelancers.com や Upwork などのフリーランサー仲介サービスも、紹介者を実名で紹介するようになってきた。(企業とフリーランサーが)直接契約してしまうリスクは生じるのに、それを防げるだけの自信があるからです。

(Freelancers.com や Upwork と同様に)SEKAI.WORK にとっても、人材の評価システムとリファレンスが何よりの肝になると思っています。むしろ、「(フリーランサーとの直接契約でなく)SEKAI.WORK を通してくれ」って企業から言われるくらいにならないといけない、と思っています。」

筆者にとっても、THE BRIDGE にとっても、世界で活躍するスタートアップや起業家を増やすことが一つの大きなテーマだ。SEKAI.WORK の出現によって、そのような動きに拍車がかあることを願ってやまない。

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