AIニュース収集・配信のSpectee、AIアナウンサー「荒⽊ゆい」のβ版をリリース——法⼈向けに年内無償提供を開始

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Image credit: Spectee

人工知能を活用したソーシャルメディア分析により、ニュースに関するテキストや写真をいち早く伝えるプラットフォームを提供する Spectee はは7日、ディープラーニングを活用して、より人に近い音声で原稿を読み上げたり、会話をしたりできる AI アナウンサー「荒木ゆい」のβ版をリリースした。

荒木ゆいは、約10万件の実際にアナウンサーが読んでいるニュース音声を Spectee が開発した人工知能エンジンで機械学習し、さまざまなニュースのシーンにおける、より人に近い自然な発音、アクセントやイントネーションを習得し、自動で原稿を読み上げるバーチャル・アナウンサー。バックエンドには、会話の理解に IBM Watson、音声の呼び出しに HOYA の VoiceText を利用している。

荒木ゆいは正しく⾃然に読み上げるだけではなく、⽇本のさまざまな難読地名や同形異⾳語の読み上げ、読み分けられることが特徴。例えば、「⽇本橋」は東京と⼤阪に存在するが、東京の場合は「ニホンバシ」、⼤阪の場合は「ニッポンバシ」と発音が異なる。荒⽊ゆいは、⽂脈から東京の⽇本橋について⾔及しているか、⼤阪の⽇本橋について⾔及しているかを判断し、「ニホンバシ」または「ニッポンバシ」と正しく読み分けることができる。

さらに、荒⽊ゆいは会話も可能で、相⼿の質問内容を理解し応答する機能を備えており、Spectee では将来的にはニュースの当事者に対してインタビューを⾏うことができるように開発を進めているという。

Image credit: Spectee

AI アナウンサーといえば、エフエム和歌山が Amazon Web Services(AWS)の AI サービス Amazon Polly用いて、AI アナウンサー「ナナコ」が読むニュースや天気予報の放送を始めたのが記憶に新しい。荒木ゆいは法人に年内で無償提供され、Spectee では現時点では詳細を明らかにできないとしながらも、放送業界との協業可能性を模索しているようだ。

荒木ゆいは、11月15〜17日まで幕張メッセで開催される「Inter BEE 2017」で展示公開される予定だ。Spectee の創業者で CEO の村上建治郎氏によれば、荒木ゆいの名前は、人気女優の新垣結衣を意識したものではなく、現在 Spectee が本社を構える新宿区荒木町に由来するという。

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