Amazon、世界展開を目指してAlexaファンドに1億米ドルを追加出資

by Khari Johnson Khari Johnson on 2017.12.10

oak-echo-kitchen-counter-1
新型の Amazon Echo
Image Credit: Amazon

インテリジェントアシスタントを製品に取り入れる企業に投資を行っている Amazon のベンチャーキャピタルファンドである「Alexa ファンド」は、国際展開を支援するため新たに1億米ドルを用意した。Amazon が Alexa ファンドをローンチしたのは2015年6月、当初の投資規模は最大1億米ドルだった。

Amazon は2018年初頭にAlexaをオーストラリアとニュージーランドに上陸させる、と同社広報担当は VentureBeat に語った。同社は10月に Alexa サービスをインドで、11月には日本で展開している。Echo デバイスが米国で誕生したのは2015年だが、2016年後半には英国とドイツに上陸し、カナダでも12月から利用できるようになる

1億米ドルの新たな投資により、Amazon の Alexa に対する取り組みは米国以外の国々へと拡大するほか、設置される場所も自宅だけにとどまらず、ホテル、店舗、職場などに広がる。

Alexaファンドは過去2年間、米国以外の7社を含む30社以上に投資してきた。カナダのウェアラブル企業 Thalmic Labs による1億2,000万米ドルのラウンドのほか、同じくカナダのスマートホームスタートアップ Ecobee の3,500万米ドルのラウンドに参加し、また、金額は非公表ながらフランスのスマートスピーカーメーカー Invoxia にも資金援助を行った。

Alexa ファンドによる支援を受けた企業にはほかにもスマートホームのセキュリティ企業 Ring、ホームインターホンスタートアップの Nucleus、マイクメーカー Vesper、遺失物を自宅で見つける Alexa のスキルを開発した TrackR などがある。

Alexa の音声サービスを活用しつつこれを自社製品に組み込むことに関心のある会話型 AI のコミュニティや企業は、米国内外の企業との公平性を保つために Alexa ファンドの投資基準を満たさなくてはいけない、とファンドディレクターである Paul Bernard 氏は VentureBeat に語った。

Bernard 氏は次のように述べた。

音声を使って日常生活の改善に取り組む企業の例としては、スマートホーム、外出先でも使える Alexa、癒し、生産性向上、コネクティッドなど様々な分野に渡ります。スピーチから NLU(自然言語理解)、デベロッパー用ツールなど技術の対応に取り組んでいる企業にも引き続き関心を持っています。私たちは Alexa ファンドを活用し、スタートアップから大企業まで、音声技術で日常生活を改善できるというアイデアを持つ企業の力になることにフォーカスしているのです。

Alexa ファンドの一部はすでに国際展開の支援に活用されている。

スタートアップの支援や研究活動に資金提供する Alexa ファンドフェローシップに加えて、Alexa ファンドは TechStars が音頭を取りシアトルで実施している13週間のスタートアップアクセラレータ「Alexa アクセラレータ」にも資金を投じている。

初回の Alexa アクセラレータクラスでは世界50か国以上から申し込みがあり、ベルリン、ロンドン、テルアビブなどでプロモーションが行われた。初回クラスに参加した企業には、ロンドンを拠点とするゲーミングスタートアップの Sensible Objects がある。この会社は来年、ゲーム体験の一部として Alexa を取り入れた複数のボードゲームをリリースする予定だ。

Alexa ファンドが2年目となる同アクセラレータを支援するかどうかは未定だと Bernard 氏は VentureBeat に語った。

Alexa ファンドから資金提供を受けた2社は他社に買収されている。製造計画企業の Dragon Innovation はAvnet により買収。北京とシアトルに拠点を構える自然言語理解の Kitt.ai は今夏、自社の会話型 AI である DuerOS を中国の Alexa にしたいと目論む Baidu により買収された。

Alexa ファンドにより支援を受けたスタートアップ全てが買収されたわけではない。

Amazon は5月に Echo Show をリリースした。このデバイスは7インチの画面のほか Alexa とやり取りできる機能を備えており、Nucleus 製ホームインターホンや動画呼び出しデバイスと同じような見た目、動作であるのが特徴だ。

5月の Echo Show のリリースを受け Nucleus CEO の Johnathan Frankel 氏は、Recode に対しこのように語った

Alexa ファンドのエコシステムで初のパートナーである私たちを手荒に扱うことで、そのエコシステムを本当の意味で台無しにしてしまい、他の会社からみて危険なサインを出していることを Amazon には感じてもらわなくてはいけません。

これに対し Amazon は声明の中で、ホームインターホンのアイデアは Nucleus から得たわけではなく、すでに Alexa Fire TV や Fire タブレットなどビジュアルな機器に Alexa を導入しつつあったとコメントした。

CNBC は今秋、Alexa ファンドの支援を受けた企業5、6社から話を聞いた。その中で、同ファンドと製品チームの間にファイアーウォールを設けることを Amazon は確約していたという。ところが彼らは Amazon Web Services や Lab126といった Amazon のチームと仕事をするよう仕向けられていたと語った。ある人は Alexa ファンドとの共同作業は諸刃の剣だと述べた。Alexa の製作チームと仕事ができるのは1つの機会だが、かなりの情報をこのチームとシェアしなくてはいけないからだ。一方で協業のメリットはリスクを上回ると発言する人もいた。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】