Apple、iPhone X向け「TrueDepthカメラ」供給のFinisarに3億9,000万米ドルを投資

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Finisar の技術者

Apple は、去る5月にローンチした10億米ドル規模の Advanced Manufacturing Fund から、2度目となる大型の出資を行うことを発表した。

カリフォルニア州サニーベールに拠点を置く光学部品会社の Finisar は、Apple から3億9,000万米ドルの出資を受ける。研究開発の促進と、垂直共振器による面発光レーザ(VCSEL)製品の拡大が目的。VCSEL は、深度センシングおよび近接センシングチップに主に利用され、Apple 製品にも使われている。実のところ Apple は、iPhone X の Face ID、ポートレイトモード、そしてアニ文字モードで VCSEL を活用している。AirPods の近接センシングにも利用される。

iPhone X の TrueDepth カメラ用途では、Finisar と Lumentum の2社が主要な VCSEL サプライヤと思われてきた。しかし、当該コンポーネントの出荷の遅れが iPhone X の発売延期のの一つになった理由の一つになったと考えられている。

投資を受け Finisar は、2012年に閉鎖した70万平方フィート(約65,000平米)の製造プラントを再稼働する予定。Apple は、テキサス州にある Sherman という設備が「アメリカのハイテク VCSEL の中心的存在」になることを期待していると述べた。テキサス州アレン近辺にある Finisar の他の工場と合わせると、500人以上の新規雇用を生み、給与総額はおよそ6,500万米ドルに達するとしており、新規工場からの VCSEL の出荷は2018年後半を見込んでいると
Apple は述べている。

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VCSEL ウェハー

Apple の COO である Jeff Williams 氏はプレスリリースの中でこのように述べた。

VCSEL は、私たちがこれまでに開発した中でも最も洗練された複数の技術を加速するものです。今後数年に渡る Finisar との協業で VCSEL 技術の可能性が広がり、それにより適用領域も増えることを期待しています。

技術の水準は、それを支える人々の質に依存します。Finisar は従業員を第一に考えてきた長い歴史を持つ会社であり、会社を取り巻くコミュニティの支援も行っています。

Finisar への投資の7ヶ月前には、Apple は同じ製造ファンドから Corning に2億米ドルの投資を行っている。これは将来の製品のための新しいガラス素材の開発を視野に入れたものである。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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