勉強ノートまとめアプリ「Clear」のアルクテラス、The Global EdTech Startup Awardsの日本予選で優勝——ロンドンの世界決勝に出場へ

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日本予選審査員を務めた、データビークル代表取締役 最高技術責任者の西内啓氏(左)、EduLab 取締役副社長兼 CMO の和田周久氏(中央)から副賞目録を受け取る、アルクテラス代表取締役の新井豪一郎氏(右)
Image credit: Masaru Ikeda

The Global EdTech Startup Awards(GESA)は、毎年ロンドンで開催される、世界最大の EdTech コンペティションだ。2014年、イスラエルの EdTech スタートアップインキュベータ MindCET による主導のもと、それぞれ EdTech インキュベータ であるEU の Open Education Challenge と、イギリスの EdTech UK によって共同創設された。

先ごろ、その日本予選が東京で開催され8社が参加、勉強ノートまとめアプリ「Clear」のアルクテラスが優勝した。アルクテラスは来年1月23日、ロンドンで開催される GESA の本選(世界決勝)にファイナリストとして出場する。日本予選を主催した EduLab からは副賞として、アルクテラスにロンドン本選参加のための東京⇄ロンドン間往復航空券が進呈された。

GESA には、世界70以上の国・地域から600社を超える EdTech スタートアップが参加しており、決勝にはファイナリスト15社が出場する予定。最も将来有望なスタートアップに加え、今年からは Innovation(技術革新)、Literacy(読み書き能力の向上)、Artificial Intelligence(AI)の3つの新たなトラックが設けられ、それぞれの特別賞が贈られる。

記者会見で Clear のプレゼンテーションを行う新井豪一郎氏
Image credit: Masaru Ikeda

アルクテラスは2010年10月、リゾート開発・運営大手の星野リゾートでスキーリゾート事業責任者などを歴任した新井豪一郎氏(代表取締役)が、慶応ビジネススクールで同期だった白石由己氏(取締役副社長 COO/CFO)と共同創業。同社が2013年12月にローンチした Clear は、教科や単元別に他ユーザとノートを共有できるサービスで、ウェブのほか、Android や iOS のアプリとして提供されている。

ローンチから約4年を迎え、アジア圏におけるダウンロード数は160万件以上で、うち日本におけるダウンロード数は120万件を超えた。日本の中高生人口が約700万人であることを考えると、5人に1人は Clear を使っている計算になる。加えて、タイ、台湾、中国、インドネシア、インドでサービスを展開している。2018年以降には、インド、ブラジル、ベトナムに進出する計画だ。

アルクテラスは、Clear 以外にも、塾向けの指導ツール「カイズ」や東京・大田区の住宅街で志樹学院という個別指導塾を営んでいる。2015年に7月にはスターティアなどから約1.3億円を調達、昨年にはシリーズ B ラウンドで朝日学生新聞社や Z 会から1.1億円を調達している。先月には、代々木ゼミナール教育総合研究所と協業し、教育機関向け授業支援ツール「ClearS」を導入展開することを発表している

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