バイクシェアリング企業が放置自転車を回収しないのは、費用が高くつくから【報道】

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Image credit: yuenmingliang / 123RF

交通委員会はバイクシェアリング企業に放置自転車を回収するよう求めてはいるものの、回収にかかる費用の高さ、回収を実施した際の罰金の可能性、さらには規制の追加といった要因で、こうした企業は二の足を踏んでいることが Q Daily(好奇心日報)による調査で明らかとなった。

中国の大都市の一角では、無数の自転車が放置されている光景を目にすることができる。その異常なほどの量と廃棄されている状況は、世界中のメディアを賑わせている(一方で、回収企業は環境美化に対する取り組みが賞賛されている)。レンタル会社自体は、その取扱台数や処理にかかる費用のデータを発表しているわけではない。しかしながら Q Daily は、杭州都市管理委員会が作成した情報をもとに自転車1台を回収するのにかかる費用が9.6人民元(約170円)であることをつかんだ。この情報は、今年7月にレンタル会社9社が2万3,000台の放置自転車を処理するのに人件費が22万人民元(約380万円)かかったという情報を根拠としている。

新華社通信の推計によると上海の虹莘路の自転車留置場には3万台保管されているため、ここだけで28万8,000人民元(約500万円)の人件費が必要になる。南京都市管理局は揚子晚報に対し、市内の自転車留置場にある放置自転車1台につき50人民元(約865万円)の罰金を課すことを決定し、関係企業に通知したと伝えた。

上海や北京といった大都市では、市中に出回る自転車の95%を正常な状態にしなくてはならないという要請が出されている。これは、回収した自転車を検査・修理しなくてはならないことを意味する。Q Daily の推計では、自転車修理のために1台あたり3.3~6.7人民元(約57万円~115万円)の費用が上乗せされる。これにより、1台あたりの回収費用は60人民元(約1,050円)を超えてしまう。虹莘路にある大量の保管自転車でいえば200万人民元だ。

ここまで努力しても、一部の地域ではさらに規制の費用が追加される。杭州では、自転車80台につき1人のメンテナンス要員を配置するよう求めている。上海では10月以降、1,000台あたり5人のスタッフ配置を要請している。3万台の自転車が市中に戻されると、150人のスタッフが必要になる計算だ。Q Daily では200万人民元(約3,460万円)の回収費用に加えて、従業員一人あたり5,000~8,000人民元(約8.6万円〜約14万円)の月間賃金、もしくは全体で75万人民元(約1,300万円)の費用が毎月かかると試算している。

【via Technode】 @technodechina

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