ICOで5280万ドル調達した「もうひとつのインターネット」Blockstackとは何か?ーー著名VCやエンジェルなどが次々参加

by VentureBeat ゲストライター VentureBeat ゲストライター on 2017.12.9

screencapture-blockstack-org-1512782883741.png

ブロックチェーン・スタートアップのBlockstackは、金曜日に確定したICO(新規コイン公開)で5280万ドルを調達したと公表した。同社が開発しているのは「もうひとつのインターネット」であり、ユーザーはBlockstackブラウザを介してアクセスし、さまざまな種類のアプリを利用することができるようになる。

Blockstackのエコシステムは、ユーザーとアプリメーカーの両方に利益をもたらす。ユーザーは個人APIを介して自分のデータを制御でき、一方で開発者は、ユーザーデータをホストしたり、関連するストレージのコストやデータのプライバシーを心配することなく、アプリケーションを起動することが可能になる。

すべてのデータをどこかの「中央」が一元的に保存するのではなく(たとえば、Googleが保存したメール、Instagramによる写真、Facebookで保存したソーシャルメッセージなど)、自分が持っているラップトップに保存し、さらに自分が選択した一つ以上のクラウドサービスにコピーを保有することができる。

Blockstackアプリには、自分のアプリに関連するデータに関連する「ポインタ」があるだけで、そのデータを所有したり保存したりすることはない。Blockstackの共同創業者のRyan Shea氏は「Facebook Connectのようなもので、アプリに対してあなたの個人情報を紐づけることができるんだ」と本誌インタビューに対して解説してくれた。

一方、Blockstackのアプローチが直面する厄介ごとがある。すべてのアプリケーションがリモートサーバーではなくユーザーのマシンでローカルに実行されているため、サービスアプリケーションの動作がユーザーによって「異なる」という点だ。つまり、ユーザー体験はそのユーザーが使っているマシンに依存する、というのだ。しかし、Shea氏は、ユーザーのパフォーマンスが問題になる可能性は低いと主張する。

「アプリケーションはあなたのマシン上で実行されますが、かなり軽量であるため一般的にデバイス上のリソースに制約されることはありません。これらのアプリの中にはリモートサーバーからの追加リソースが必要なものもありますが、リモートサーバーに依存することはありません。代わりに分散ネットワークに一部のリソースを提供する「使い捨てサーバー」としてそれらを活用しているのです」。

パフォーマンスの問題は別として、Blockstackのアプローチは、ユーザーがデータの安全性と共有する相手を制御できることを意味している。開発者は、スケーラビリティやユーザーデータを保護するための法的な義務を心配することなく、アプリケーションを展開することができるのだ。このようなアプローチは、長期的にGDPRのコンプライアンスの問題を解決するのに役立つのではないだろうか。(2018年に発効する欧州のGDPR裁定は、欧州連合(EU)の個人に関するデータを扱う外国企業に重い負担をかけることになる)。

開発者は、Blockstackエコシステム用のアプリケーションをコーディングするためのブロックチェーン固有の言語を習得する必要はない。同社の共同創業者であるMuneeb Ali氏は「平均的な開発者であれば開発可能」と話していた。

Blockstackは限定的に一部公開中だ。デモは以下で見ることができる。

現在のところブラウザを見る限り、8つのアプリケーションが利用可能となっている(少なくともMacでは確認済み。WindowsとLinuxはまだ完全にサポートされていない)。

そして同社が保有する設立3カ月のファンド「Signature Fund」(BlockstackがVCと共同で設立したファンドで2500万ドルを調達済み)のおかげで、多くのアプリメーカーがプラットフォーム用のアプリ開発資金をここから調達することができている。

Shea氏とAli氏は、プラットフォームを支える開発者コミュニティが大きく成長していると語る。Blockstackのコミュニティに参加する世界中の約1万3000人の開発者を挙げており、開発者コミュニティのメンバーは新たな機能を提供するために、仲間にインセンティブとなる賞金を出しているのだそうだ。

この賞金は最初わずかで、共同創業者曰く、5000ドルほどから始まったのだとか。しかしBlockstackの投資家たちもこのプラットフォームで動くアプリを見たいということからこのゲームに参加し、賞金は2万5000ドルにまで跳ね上がっている。Shea氏とAli氏は、今後SlackやTwitter、GitHubなどのサービスの「分散型クローン」がBlockstack上で動作することを期待しているそうだ。

ニューヨークに拠点を置く同社は2013年創業で現在は11人のチームで運営している。Shea氏は、ICOで獲得した資金を元に20人にまで規模を拡大するつもりと話していた。Blockstackは現在、ビットコインのブロックチェーン上で動作しているが、どのチェーンでも動作するように設計されている。

今回のICOにはUnion Square Ventures、Foundation Capital、Lux Capital、Winklevoss Capital、Blockchain Capital、Digital Currency GroupなどのVCの他、ケヴィンローズ氏やマイケルアリントン氏、前Y CombinatorのCOOだったQasar Younis氏らが参加している。

【原文】

【via VentureBeat】 @VentureBeat

ニュースレターの購読について

毎日掲載される記事の更新情報やイベントに関する情報をお届けします!

----------[AD]----------