不動産クラウドファンディングのクラウドリアルティ、シリーズAフォローオンで不動産大手・銀行らから2.3億円を調達——P2P不動産証券化市場の醸成に注力

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.12.29

京都馬町町家を生かした「京町家2号ファンド」のページ
Image credit: Crowd Realty

不動産特化型クラウドファンディング・サービス「Crowd Realty」を提供するクラウドリアルティは29日、三菱地所(東証:8802)、新生企業投資、新生銀行、みずほキャピタルから資金調達したことを発表した。これは同社が先月発表しているシリーズ A ラウンド(三菱東京 UFJ 銀行、三菱 UFJ キャピタル、 カブドットコム証券から総額3.5億円を調達)のフォローオンで、調達金額は2.3億円。先月発表分とあわせたシリーズ A ラウンドでの調達総額は5.8億円となる。

クラウドリアルティは2014年12月の設立。2015年11月にグローバル・ブレインからシード資金を(数千万円程度とみられる)、2016年12月に SBI FinTech ファンドから2,000万円を調達している。

クラウドリアルティ創業者 兼 CEO 鬼頭武嗣氏
Image credit: Masaru Ikeda

今回の資金調達の意味について、クラウドリアルティ創業者で CEO の鬼頭武嗣氏は THE BRIDGE の取材に対し、REIT(不動産投資信託、不動産証券化)になぞらえて説明してくれた。REIT では不動産物件(発行体)が資金調達しようとしたとき、投資銀行が介在してマーケット(投資家)へのアクセスを提供している。不動産クラウドファンディングにおいては、クラウドリアルティがプラットフォームとなり、不動産物件とマーケット(投資家)が取引できる環境の形成を目指すのだという。

今年、不動産特定共同事業法が一部改定されたこともあり、少額募集の範囲であれば、不動産クラウドファンディングに新規事業者が参入しやすい環境が整った。一般型のクラウドファンディングの分野で数年前に起こったような相次ぐ新規参入が、不動産クラウドファンディングでも起きるのではないか、というのが鬼頭氏の見立てだ。

このとき、クラウドリアルティは一つの不動産クラウドファンディング事業者としてだけでなく、他の不動産クラウドファンディング事業者に対しても市場に参加できるプラットフォームとしての機能を提供しようというわけだ。多くの事業者が参加することで、そこには、より大きく流動性の高い不動産クラウドファンディングの市場が形成されていく。直接金融というその名の通り、鬼頭氏は不動産物件と投資家を直接繋ぐ、P2P 市場の形成を目指したいと語った。

鬼頭氏らのこのビジョンを実現する上で必要になってくるのは、オーソリティがいない状況でも適正な取引が保証されるための非中央集権型アプリ(Dapps; Decentralized Apps)の開発と導入だ。鬼頭氏はバズワードに振り回されたくないためか、インタビュー中は終始、ブロックチェーンやスマートコントラクトという言葉の使用を避けていたが、実際のところ、Dapps の実現にはこれらの技術が核になってくるようだ。

主要な出資者との事業連携スキーム
Image credit: Crowd Realty

プラットフォーマーになるには、そのプラットフォーム上で取引するあらゆる事業者に対しての中立性が求められる。クラウドリアルティがこれまでに、異業種の複数の事業会社や VC から調達しているのにも、そんな背景が影響しているようだ。市場では証券の流動性が確保できないと取引が成立しないわけだが、クラウドファンディングの世界で言えば、ICO などでも頻繁に取り沙汰されるコミュニティの醸成が重要になってくるだろう。

クラウドリアルティでは今後、エコシステム、分散型ネットワーク、世界的な制度・法規制の適正化に向けて、国際的な非営利団体やコンソーシアムの形成にも、直接的または間接的に関わっていきたいとしている。

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