〝仮想通貨のブルームバーグ〟を目指すFACTBASE、AIを活用した市場予測プラットフォーム「SIGNAL」を米国で発表——事前登録受付を開始

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.12.1

FACTBASE のチーム。中央が創業者で CEO の高橋佑典氏。
Image credit: FACTBASE

【12月1日9時30分更新】取材後の同社経営戦略変更に伴い、記述内容を一部訂正。

東京に拠点を置くスタートアップ FACTBASE は1日、ビッグデータ人工知能(AI)知能の活用により、仮想通貨の市場予測を提供するサービス「SIGNAL(シグナル)」を、アメリカのサンタクララで開催中の Blockchain Expo で発表した。これとあわせ、同社は SIGNAL の事前登録の受付を開始した。

FACTBASE は11月、大阪大学出身の高橋佑典氏らが設立したスタートアップだ。仮想通貨では、値動きに影響及ぼす情報の流れや要素が法定通貨と大きく異なることに着目。同社が開発する SIGNAL では、ウェブベースのダッシュボードを通じた仮想通貨の市場予測閲覧機能「SIGNAL Board」と、仮想通貨の値動きに大きな影響を与えるイベントが発生したときに LINE でユーザに通知する機能「SIGNAL Alert」を提供する。

例えば、(法定通貨の世界では)日銀の総裁は何かをツイートしたりすることはしない。でも、仮想通貨の値動きにはオンラインで拡散された情報が影響していることが多く、情報の流れ方もユニークです。値動きに影響を及ぼす情報のほとんどがウェブ上に公開されていて、仮想通貨の世界にはマイニングをしている人とか、いろんなコミュニティがあって、そこで情報が雪だるま式に大きくなっていて、大きな影響を及ぼすニュースになっていく。(中略)

つまり、仮想通貨の動向に関する情報は誰でもアクセスできるんですが、そこには雑多な情報も含まれていて、コンテキストを理解して整理するのが難しい。SIGNAL では、ビッグデータと AI を使って、それらの情報を整理してユーザに正確に伝えるしくみを実現します。(高橋氏)

Blockchain Expo で SIGNAL を発表する FACTBASE CEO 高橋佑典氏
Image credit: FACTBASE
Blockchain Expo の自社ブースで SIGNAL のデモを披露する FACTBASE のチーム
Image credit: FACTBASE

法定通貨以外にも、公開情報が市場に影響を及ぼすプロセスやフローという観点で見てみると、例えば公開企業の場合、財務諸表が発表され、それをもとにヘッジファンドや機関投資家などが株式を購入したり売却したりという動きが発生し、その動きを横目で睨む個人投資家が株式を売買して、市場での価格変動につながるという流れが生じる。

それらとは対照的に、仮想通貨ではその価値担保のしくみだけでなく、価格変動のしくみもまた decentralized なのだ。(FX などの)法定通貨取引や株式での投機のように、FRB や日銀のような大本営発表に耳を傾け、CNBC や日経の報道に着目していればよい、ということにはならない。ここに、SIGNAL が投資家に新たな価値を提供できるニッチが生まれることになる。

SIGNAL では、Twitter、Reddit、Facebook、一般ウェブ投稿、GitHub などを流れるタイムラインや投稿をクローリング、AI を使った自然言語処理(NLP)により、それぞれがポジティブな意味を持つのか、ネガティブな意味を持つのかなどを多面的に分析する。近日公開されるα版では、当面のところ仮想通貨の中でもビットコインのみが対象。一般的にビットコインとビットコインキャッシュの情報は紛らわしいものだが、SIGNAL では独自アルゴリズムによりそれらも正確に判別できるという。

現在は、情報を収集→整理→分析をするというところにフォーカスしています。仮想通貨の市場アナリストとも関係を作っていて、アナリストレポートも出す予定です。また、独自アルゴリズムで算出した投資家指数なども公開しようと思っています。

値動きを予想して、それに基づいて(ラップ口座のような)仮想通貨の自動売買をできるようにすることが、目標とする最終的な到達点です。仮想通貨投資における情報収集の最適化を実現することが我々のミッションです。(高橋氏)

「SIGNAL Board」のサンプル画面
Image credit: FACTBASE

SIGNAL では今後、仮想通貨別の開発指数も公開していくという。玉石混交の仮想通貨の世界において、例えば、どの ICO がしっかりしていて、どの ICO がいい加減かなど、投資家が情報判断する上での参考にもできるようになりそうだ。2年後には SIGNAL の国内ユーザ100万人を目指し、英語や韓国語でのサービス提供も視野に入れているという。

FACTBASE は、これまでに複数の個人投資家(氏名非開示)からシード資金を調達している。今後はサービス開発にさらに注力すべく、データアナリストやデータサイエンティストのほか、「データを集めることにエクスタシーを感じるエンジニア(高橋氏談)」を広く募集していきたいとしている。

「SIGNAL Alert」のサンプル画面
Image credit: FACTBASE

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