グローバル・ブレイン、Omiseらとブロックチェーン特化ファンドを組成へ——世界展開するコワーキングスペースも開始、第一弾は渋谷から

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.12.11

左から:梶沙瑤子氏(グローバル・ブレイン ベンチャーパートナー)、宮口礼子氏(OmiseGo アドバイザー、Kraken 元日本代表)、百合本安彦氏(グローバル・ブレイン 代表取締役)、長谷川潤氏(Omise および OmiseGo 創業者 兼 CEO)、Thomas Greco 氏(OmiseGo スペシャルアドバイザー、Ethereum Foundation 元アドバイザー)、佐野尚志氏(グローバル・ブレイン ベンチャーパートナー)
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本稿は、12月8日にグローバル・ブレインが東京で開催した、Global Brain Alliance Forum 2017 の取材の一部である。

東京に拠点を置くベンチャーキャピタルであるグローバル・ブレインは9日、都内で Global Brain Alliance Forum (GBAF) を開催した。この中で、バンコクに拠点を置く決済スタートアップで、独自仮想通貨 OmiseGo を展開する Omise らと共同で、ブロックチェーンプロジェクトに特化したファンドを組成すると発表した。運用額は数百億円程度になる見込みだ。

グローバル・ブレインは今年9月、Omise や OmiseGO の創業者兼 CEO である長谷川潤氏のほか、Ethereum Foundation の元アドバイザーで現在は OmiseGo のスペシャルアドバイザーを務める Thomas Greco 氏らとともに、ブロックチェーン・エコシステムの醸成に向けた新会社 GB Blockchain Labs(GBBL)を設立している。Omise は今年7月、ICO で2,500万ドルを調達しており、この金額は同社にとって、VC からの調達総額である2,000万ドルを上回っている。

イスラエルの SiteAware 開発のドローンプラットフォームを使った、東京・日本橋の建設現場での PoC について語る、グローバル・ブレインの青木英剛氏(左)と、三井不動産ベンチャー共創事業部の能登谷寛氏(右)
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GBAF では、グローバル・ブレイン代表取締役社長の百合本安彦氏が、現在運用中のファンドの状況を説明。KDDI と運用する KDDI Open Innovation Fund では韓国スタートアップへの出資を強化していることや、三井不動産と運用する 31 VENTURES Global Venture Fund からは、イスラエルの建設業向けドローンソフトウェア開発スタートアップ SiteAware(投資時の社名は Dronomy)への投資実績などが披露された。昨年発表した GB-Ⅵ号ファンドについては、LP(リミテッドパートナー)12社から約200億円を集め、今年6月に調達をクローズしたという。

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同社のこれまでの投資先についても、Loco Partners(イグジット先は KDDI)、カブク(イグジット先は双葉電子工業)、Fluenty(イグジット先はサムスン電子)、August(イグジット先は ASSA ABLOY)など2017年には11社がイグジットを達成、IPO と M&A を含め、同社設立以来の累積イグジット率は42%に上ったことを明らかにした。

グローバル・ブレインの2017年のファンドアップデイト
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この日、GBBL にも関わる長谷川氏がプレゼンテーションを行い、Ethereum 関連ビジネスはまだ黎明期にあり、エコシステムを形成するためには、圧倒的に情報と技術者が不足していると強調。それを補うため、この分野のインキュベーションに注力するとし、グローバル・ブレインとブロックチェーン特化のコワーキングスペース事業を展開することを明らかにした。その第一弾は来春、渋谷から開始される予定だ。

(コワーキングスペースを)この分野の世界トップクラスの人々に出会える場所にしたい。(中略)

大企業の方々には、もちろん協賛してもらえるのもありがたいが、協賛だけでなくビジネスに積極的に利用してもらいたい。日本で生まれたプロジェクトを世界に持っていこうと思っている。バンコク、ベルリン、ポーランドなどにも出て行きたい。(長谷川氏)

長谷川氏の発言からは、このコーワキングスペースにはコワーキングのみならず、大企業でのブロックチェーン利用促進を意図したオープンイノベーションの文脈も伺い知ることができる。

仮想通貨のトランザクションパフォーマンスの低さが指摘される中、OmiseGo では当初から100万件/秒を目指すと展望の高さを力説する長谷川氏
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なお、長谷川氏が Ethereum を積極的にビジネスに取り込むことになった契機については、THE BRIDGE に転載した彼のブログ投稿に詳しい。長谷川氏には、来年1月に東京で開催予定の THE BRIDGE イベント「THE COIN」にもキーノートスピーカーとして登壇いただく予定だ。

グローバル・ブレインのこれまでのブロックチェーン関連の投資先には、Bluzelle、Coins.ph、Digix、韓国のモバイル証券取引スタートアップ Dunamu(두나무)などがある。

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ブロックチェーン特化コワーキングスペース事業で実施される内容
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ブロックチェーンに関する世界の VC の動きを見てみると、著名な未来学者 Don Tapscott 氏の息子でベストセラー「Blockchain Revolution(邦題:ブロックチェーン・レボリューション、ダイヤモンド社刊)」の共著者である Alex Tapscott 氏が設立したブロックチェーン特化ファンド NextBlock Global が、年内にもトロント証券取引所に IPO する予定。ニューヨーク拠点のイーサリアム特化スタートアップ・スタジオ ConsenSys は今月初め、5,000万ドルの投資ファンドを立ち上げたほか、世界的大富豪で投資家の Mark Cuban 氏は、暗号通貨専門サイト Coinbase の元ビジネス開発マネージャー Nick Tomaino 氏が立ち上げた、2,000万ドル規模の暗号通貨特化ファンド「1confirmation」に出資したことが明らかになっている。また、サンフランシスコに拠点を置く Pantera Capital は今年6月、1億ドル規模の ICO ファンドを立ち上げている。

国内を見てみると、先週には B Dash Ventures が、1億500万米ドル相当を ICO で調達したブロックチェーンスタートアップの Quoine と共同で、ICO 特化ファンド「B Cryptos」をローンチしている。今後も日本内外の VC 各社から、仮想通貨、ICO、ブロックチェーンに特化したファンドの発表が相次ぐことが期待される。

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