飛躍する東南アジアのインターネット経済、配車アプリ予約は2年で4倍、1日600万件に

by Yuki Sato Yuki Sato on 2017.12.18

Photo by Mike Enerio on Unsplash

東南アジアのオンライン経済な堅調のようだ。Googleとシンガポールの政府ファンドTemasekが発表したレポートから、東南アジア地域でのオンライン経済、インターネットやモバイル端末の利用状況の実態が浮かび上がってくる。その内容を以下に一部ピックアップしてみた。

3億3000万のインターネットユーザー、モバイル利用時間が長い

2015年以来の年平均成長率は13パーセント。90パーセン以上のユーザーが、スマートフォンでウェブにアクセスすることを好んでいる。

東南アジアの人々は、他のどのエリアよりも突出してモバイル端末でインターネットを使う時間が長い。その平均時間は1日3.6時間で、中国の3時間、米国の2時間、日本の1時間に比べても長いと、Googleのバイスプレジデント、東南アジア・インド担当マネージングディレクター Rajan Anandan氏はコメントしている。

特にモバイルでのネット利用が好きなのはタイ人 4.2時間で、インドネシア人の3.9時間が続く。

eコマースと配車アプリの成長、毎日の配車アプリ予約数は600万件

e-Conomy SEA Spotlight 2017 / 東南アジア地域のインターネット経済市場規模

オンライン経済の規模は今月末には500億ドル規模に、2025年には2000億ドル規模になると見込まれている。

インターネット関連ビジネスの全体における比率は2015年時点では1.3パーセントだが、2025年までにはその比率も6パーセントにまで達する見込みとのこと。特に、成長が見込まれているのがeコマースと配車アプリだ。

Google上でeコマース企業の検索は過去2年間で倍増しており、ローカルのeコマースサイトの滞在時間は毎月平均で140分とのこと米国は80分)。

中小企業による消費者向けの市場、中古品市場、C2Cプラットフォーム、オンラインクラシファイドなどのB2Cのeコマースの市場規模は、今年109億ドルに達する見込み。

e-Conomy SEA Spotlight 2017 / 配車アプリの市場規模の成長予測

自動車やバイクの配車アプリは過去2年で総流通総額が2倍に。毎日の配車の予約数は2015年の130万から2017年に600万に、配車アプリを運営する企業に登録してるドライバーの数も60万から250万と大きく成長している。2025年には配車サービス市場は200億ドルに達する見込みとのこと。

関連記事:Uberとシンガポールのタクシー会社ComfortDelGro、4億7,400万米ドルでジョイントベンチャーを設立へ

モバイル決済やオンライン教育、デジタルヘルスケアは今回の調査では「萌芽期であるため」対象にならなかったようだが、こうした分野の成長も今後は要注目だ。

投資はユニコーン企業に集中、アーリーステージへの出資数も大きく増加

2016年から2017年の第三四半期の間、総額130億ドルがスタートアップに出資されているが、そのうち90億ドルがGo-Jek、Grab、Lazada、Razer、Sea、Traveloka、Tokopediaといた一部の「ユニコーン」企業に集中している。

では、アーリーステージのスタートアップに対する投資が少ないのかというと、そうではなく、1370件中1095件がシードステージとシリーズAの投資であり、創業初期段階へのスタートアップにも資金が投入されている。

e-Conomy SEA Spotlight 2017

出資の件数が大幅に落ちるのはシリーズB以降で、シリーズB・Cでの資金調達は94件と、一般的に安定した成長という結果が求められるシリーズB段階に進む際の壁が現状では大きいようだ。

課題は地元のエンジニア不足、ユニコーン企業は中国やインドに開発拠点を設立

スタートアップへの投資も大きく増え、インターネットのインフラや配送ネットワーク、オンライン決済における消費者の信頼の向上など、ここ2年で大きな改善が見られた一方で、残る大きな課題の一つは「テック人材不足」と、レポートは言及する。

地元出身のエンジニア、特にシニアレベルのエンジニアが不足しており、そのためGrabやGo-Jekといった既に規模が大きくなったスタートアップは、優秀なテック人材を集めやすい中国やインド、アメリカに開発拠点を置く結果となっている。

また、成長する過程でエグゼクティブ人材が必要になった際に、経験値の高い外国人を選ぶか、経験は少なくともローカルな事情が分かる地元の人材をとるかで悩むスタートアップも増えているとのこと。

成長に伴って新たな課題にも直面しつつ、業界の成長と変化は今後も続きそうだ。

さらに詳細の内容は以下のレポートを参照のほど。

参照:330 million internet users accelerating the growth of Southeast Asia’s internet economy

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