インシュアテックのLemonade、シリーズCラウンドでソフトバンクらから1.2億米ドルを調達——チャットボット対応の保険サービスを世界展開へ

by Paul Sawers Paul Sawers on 2017.12.28

モバイルファーストで AI を利用する保険サービスを、チャットボットや自社が提唱する倫理のもと提供している Lemonade は、シリーズ C ラウンドで日本の通信大手ソフトバンクなどから1億2,000万米ドルを調達したと発表した。このラウンドには GV(Google Ventures)、Sequoia Capital、Allianz といったビッグネームを含む複数の既存投資家も参加した。

同社は VentureBeat に対して企業名は伏せつつも、今回のラウンドには「非常に著名な投資家」も参加したと伝えてくれた。

ニューヨークで2015年に設立された Lemonade は、成長中のインシュアテック業界では珍しく、認可を受けて自社の保険商品を販売する会社である。自宅保有者や賃貸人に特化している同社は、事務プロセスを簡素化して申請手続きを迅速にするなど様々な方法で差別化を図っている。さらに、1年に1回、未請求金を慈善的な用途に寄付するという「お返し」制度を通じて道徳的な側面があることもアピールしている。

ユーザが同社のアプリを利用して寄付したい事業を選ぶと、同じような事業を選んだユーザは「仲間」、もしくは同じ考えを持った者同士というバーチャルなグループに振り分けられる。それぞれのグループから集められた保険料は個々の契約者からの請求時に支払われるが、残余金は共有されている事業に寄付される。同社は各契約者から固定手数料を受け取る仕組み。

自宅保有者向けの保険料は月25米ドルから、賃貸人向けは月5米ドルからとなっている。全ての手続きはスマホ用に最適化されているため、今日では大きなセールスポイントとなっている。

同社サービスのもう一つの顕著な特徴は、顧客とのやり取りを自動化するのに活用されているチャットボットである。これは、コマース業界では成長が続いている一つのトレンドだ。

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「Lemonade」アプリのチャットボット

これまでに6,000万米ドルを調達している Lemonade は今回1億2,000万米ドルを手にしたが、今回の資金を活用してサービスのグローバル展開を計画中だ。実際、ニューヨークで正式にローンチしたのは昨年9月だが、それ以来カリフォルニアなど全米25州にサービスを広げた。今は2018年の世界ローンチに向けた準備を進めているところである。

Lemonade の設立者兼 CEO の Daniel Schreiber 氏は次のように述べている。

現在私たちが知っている有名な保険会社が誕生したのは、馬車があった時代です。しかし現代の最高の保険は、AI や行動経済学を活用するものでしょう。だからこそ、何もないところから立ち上げ、デジタルの基盤を使い、かつ社会的なミッションを持った弊社のような会社が今後も環境に左右されない有利な立場を享受できると信じています。

最近では、カリフォルニアを拠点とするオンデマンド保険プラットフォームで4,500万米ドルを調達した Trov や、カスタマイズされた商品で中小企業に特化し2,900万米ドルを調達したパロアルト拠点の Next Insurance といった多くのネット保険会社がこの業界に参入している。

しかしながら Lemonade は完全に自社の保険商品を販売しており、しかも AI に特化したモバイルファーストのアプローチは多くの企業を魅了している。その代表例が、今年スタートアップ業界への投資に積極的なソフトバンクだ。

同社社長兼共同設立者の Shai Wininger 氏は次のように話している。

弊社にとってソフトバンクは理想的なパートナーです。参画していただけることを大変嬉しく思います。ビッグデータやマシンラーニングが深いところで業界全体を再構築しているというソフトバンクの考え方に私たちも共感しています。ソフトバンクには、この共通ビジョンを現実にするだけの展望と手段があるのです。

ソフトバンクは潤沢な資金を有しており、投資を通じてますます世界に手を伸ばすようになっている。そのため、Lemonade がアメリカ国外で保険のプラットフォームをローンチするなら、この会社も良き提携相手となるだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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