シリコンバレー拠点の Y Combinator はスタートアップシーンにおいて絶大な影響力を誇っている。しかし、Y Combinator のプレジデントである Sam Altman 氏は、同アクセラレータプログラム輩出企業を取り巻く過度な盛り上がりについて少々心配しているようだ。
パリのスタートアップキャンパス Station F の Rachel Vanier 氏との最近のインタビューにおいて、Altman 氏はこう話している。
有名なプログラムから輩出されるスタートアップのすべてが必ずしも資金調達にふさわしい、または資金調達の準備ができているというわけではありません。
Y Combinator の有名なデモデイイベントと誰が資金提供を受けられるのかという質問に対し、彼は次のように答えている。
すべてではありませんが、確実に多くのスタートアップが資金提供を受けます。実際にはおそらく多すぎるほどです。本当は調達すべきでない資金を調達させてしまう、Y Combinator 輩出スタートアップを取り巻く過度な盛り上がりがあるのではないかと思っています。
それぞれのデモデイは多くの著名なベンチャーキャピタルを集めることからシリコンバレーの中でも注目すべきイベントとなっている。Y Combinator の実績と影響を考えると、Dropbox や Airbnb、Stripe のようなユニコーン企業が歩んだ道のりをたどりたいとするスタートアップを後押しする意欲については疑う余地はない。
公式には Y Combinator はこれまで1,464ものスタートアップに資金を提供し、これらスタートアップは総額800億米ドルもの価値があると発表している。しかし、投資家や起業家はこういった成功を見て盲目になるべきではないし、Y Combinator を卒業する日がスタートアップにとって資金調達に適切なタイミングであるとみるべきでもない。
Altman 氏は次のように述べた。
資金を調達することで重大な責任が生まれるのです。道を定める前に、自分が取り組んでいることが実際にうまくいくと証明できるエビデンスを持っておくべきです。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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