「殺処分は年間5万匹」ーーペット領域サービス運営のシロップが資金調達を実施、ペットと出会って飼育するプラットフォームを構築

by SuzukiSekiko SuzukiSekiko on 2017.12.27

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写真左より既存株主のiSGSインベストメントワークス五嶋一人氏、同社代表取締役の大久保泰介氏、既存株主の西川順氏

ペット関連サービスを運営するシロップは12月27日、FFGベンチャービジネスパートナーズと既存株主である獣医師の佐藤貴紀氏、その他2名の個人投資家を引受先とした第三者割当増資を実施した。株式比率、払込日などの詳細は非公開。

(12時追記:同社代表取締役の大久保氏より今回の調達金額は借り入れを含め3800万円、累計金額が8300万円とのことで記載させていただきます)

2015年3月に設立された同社はシードラウンドでサイバーエージェントベンチャーズ、2回目の資金調達ではiSGSインベストメントワークスおよび個人投資家の西川順氏などを引受先とした第三者割当増資を実施している。3度目となる今回と借入を含め、累計調達額は8300万円となった。

同社はペット情報メディア「ペトこと」と保護犬猫と飼いたい人を結ぶマッチングサービス「OMUSUBI」の2つのサービスを運営している。ペトことでの情報発信者は脳外科、心臓内科といったように専門の診療科を持つ獣医師、OMUSUBIには全国の主要地域にある30の保護団体と共に取り組みを実施しており、同領域での専門性を高めているところが同社運営サービスの特徴だ。

同社代表取締役の大久保泰介氏は同領域の事業の展開について下記のように教えてくれた。

「ペットヘルステック領域はまだまだデジタル化が進んでいない領域ですが、海外市場ではBARKWhitsleが台頭するように上場や売却も活況です。ペットを迎えてから飼い終わりまで全てをサポートするプラットフォームをつくり、日本のペット市場や環境を変えていきたいと思っています」(大久保氏)。

ペットと出会い、楽しむための環境をつくる

今回の資金調達にあわせて、同社はPETOKOTOプラットフォーム構想を掲げている。同構想は現状の公開しているサービスを拡大・連携して「OMUSUBIでペットを迎え、ペトことで飼育する」ことを目指している。

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「犬種や猫種、そして個々の犬猫でも疾患により飼い主が望む情報や商品が違います。ペットが会話で伝えることができない部分をデータ化し、年齢や属性にあった情報や商品を開発・提供することが必要なんです」(大久保氏)。

具体的には情報メディアであるペトことへ商品購入やお出かけスポットの検索機能を追加し、ユーザーの行動機会を増加。これらの行動ごとに全てのポイントが付与され、OMUSUBIに登録する団体への寄付やクーポンの受け取りができる。また、この流れを通して飼い主とペットのデータから年齢や属性、アレルギーなどの疾患にあった情報や商品をレコメンドすることも予定している。

今回の調達資金はこのプラットフォーム構想の推進のための人材獲得に充当。また、ペット向けサプリメント事業やコマース事業の新規開発も実施する。

保護犬猫になる一番の要因はペットショップ、年間5万匹が殺処分

大久保氏によれば保護犬猫になる一番多い原因は、「ペットのオークションで落とされ、ペットショップの店頭に並ばなかった犬猫」だ。健康で飼育に問題のない犬猫でも足が内股だから、などの理由でペットショップで売られることができない犬猫は多く存在する。

実際、保護犬猫というと「何か問題があるのでは」と感じる飼い主もいる中で、逆に保護犬猫はしつけなどもプロからされていて安心という知られていない情報も同領域には多い。

これらを解決するためには正しい情報を飼い主に届けること、人と飼い主のマッチング精度の向上が鍵を握っている。既存株主で元エウレカの西川順氏も次のように語る。

「親が獣医ということもあり、ペットサービスは自分でも立ち上げたいと思っていました。時間はかかると思いますが、『人と人の幸せ』と『人と犬の幸せ』のカルチャーを作る部分はペアーズと似ていると思います。自身の知見でサポートしつつ、ビジネス化できる仕組みで安定したペットと人の環境づくりを共にしていきたいと思います」(西川氏)

現在OMUSUBIの会員数は1300名、そのうち30〜40代のユーザーが60%だ。また世帯年収が1000万円を超えるユーザーが20%にのぼる。12月にはペトことの記事経由でのペットと泊まれる宿予約などの収益源から単月黒字化を実現しており、ビジネス化できる仕組みも確立しはじめた。今後ペットと人が抱える課題の解決を目指し、サービスの拡充を目指す。