Uberとシンガポールのタクシー会社ComfortDelGro、4億7,400万米ドルでジョイントベンチャーを設立へ

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Photo by Lily Lvnatikk on Unsplash

Uber とシンガポールのタクシー企業 ComfortDelGro(以下、CDG)は、ジョイントベンチャーを設立する。Uber にとっては東南アジアの事業を加速させる上で良い契機となりそうだ。

本日(原文掲載日12月8日)発表された内容によれば、CDG は、シンガポールの Uber の子会社であり、ドライバーに対して自動車をリースしている Lion City Rentals(以下、LCR)の51パーセントの株式を取得するとのこと。

Uber と CDG によって設立されるジョイントベンチャーによれば、取引額は4億7,400万米ドルであり、そのうち2億1,800万ドルはキャッシュであるとのこと。これは、CDG にとって過去最大のディールだ。

この提携によって、LCR は CDG のタクシー管理やオペレーション力を活用できるようになるだろう。Uber のユーザーは、既存のアプリを通じてCDG を直接予約することが可能になり、同時にCDGのタクシードライバーは、Uber のリクエストを受けて収入を増やすこともできるようになるはずだ。

CDG の会長の Lim Jit Poh 氏は次のようにコメントしている。

タクシーは今後も長期的に利用されると信じています。ですが、パーソナライズされた移動手段の事業は、以前と比べて変化しています。Uber のような革新的なアプリの登場によって、消費者の公共交通機関の利用方法は変わり、既存のリソースをより効率的に利用する手段を生み出しました。私たちはともに仕事をすることを通じて、消費者とドライバーが同等に利益を得られるようなシナジーを生み出すことができると感じています。

このディールは Uber にとっては大成功かと思われる。Lim 氏も触れていたが、同社は東南アジアなどでは免許を有したタクシー事業者による猛烈な反発に直面してきた。また、Grab や Go-Jek のようなローカルのハイヤー事業者との厳しい競争もあった。

先月、Uber の CEO、Dara Khosrowshahi 氏は、近い将来東南アジアでの事業を黒字化することを期待していないと述べていた

彼は、ニューヨーク・タイムズの DealBook カンファレンスで次のように述べていた。

このマーケットの経済は、私たちが望んでいる状態ではありません。現時点では、過剰な投資がされてます。私たちは進出しますし、前進していきます。ですが、近い将来黒字化できると楽観的に捉えていません。

Khosrowshahi 氏は、中国ロシアで採った戦略を東南アジアで繰り返すことは避けた。中国とロシアでは、それぞれ事業をライバルの Didi Chuxing(滴滴出行)と Yandex に売却している。

LCR は今年のはじめ、リークした文書とメール上で、故障した自動車を故意でリースし一つの車両は道路上で火を発したことが言及され、大きな渦中に置かれてた。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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