Y Combinator、レイトステージのスタートアップ向け成長プログラム創設を発表

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YC Continuity Fund パートナーの Anu Hariharan 氏と Ali Rowghani 氏
Image Credit: Y Combinator

シリコンバレーを拠点とするアクセラレータの Y Combinator(YC)は14日、レイトステージのスタートアップ向けに成長プログラムをローンチすると発表した。10週間のディナーシリーズから成るこのプログラムは、従業員数50〜100人のシリーズ A ラウンドを終えたスタートアップ設立者向けに設計されたものだ。

この10年の間に YC はスタートアップ業界で際立つ中心的プレーヤーとなった。年2回開催されるバッチプログラムを通してシードステージのスタートアップに投資しており、設立者には3ヶ月のメンター期間と株式持分7%と引き換えに12万米ドルを提供している。著名な卒業企業には Airbnb、Dropbox、Instacart、Reddit、Stripe などがある。

数年前には、プログラムを卒業したスタートアップに投資する「YC Continuity Fund」をローンチした。最近の投資先には QuoraLob などがあるが、今回の成長プログラム創設によりレイトステージスタートアップへの投資が可能になるため、こうした企業のスケールにさらに貢献できるようになる。

YC Continuity Fund のパートナーである Ali Rowghani 氏と Anu Hariharan 氏はブログにこう投稿している

Y Combinator がスタートアップの大学だとすれば、成長プログラムは大学院です。

YC は昨春このプログラムのパイロット版を運営し、Segment のほか Front、Checkr、Gitlab といった YC スタートアップを受け入れた。この実験で好意的なフィードバックを得た YC は、正式にプログラムを実施することを決めたようだ。毎週のディナーでは、スタートアップがスケールするために克服しなくてはならない個別の課題解決に対して集中的に取り組むことになる。その課題には、上級経営陣の採用、販売・マーケティングチームをうまく活用した迅速な増収、大がかりなエンジニア採用などがある。

Rowghani 氏と Hariharan 氏はこう書いている。

このステージに到達したスタートアップの設立者は、時間の経過とともに、特にバッチ内での YC ネットワークが薄れていくと言います。できるなら、成長プログラムがスタートアップ同士を再び結びつけることで、設立者に対しては、同じような問題に直面している別のバッチメイトを引き合わせたいと思います。

このプログラムは現役の YC スタートアップのみを対象とする予定だが、YC の中核プログラムに参加経験がない企業も少数ながら受け入れる計画があるという。

YC によると、現在1,200社を超える現役の YC スタートアップのうち、社員数50人以上は100社ほど、100人以上は60社ほどしかない。こうしたスタートアップの設立者らは簡易な申請書を提出すると、無料成長プログラムへの参加が選考される。YC では毎年4月と9月に始まる年2回のプログラムを、15社ほどのスタートアップを対象とする2つのバッチで運営していく計画だ。

プログラムの正式ローンチは2018年4月の予定。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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