今年は Alibaba(阿里巴巴)にとっては良い一年だった。評価額は2倍に、4,000億ドルにまで膨らんだ。そして、多くを投資に費やしている。2017年の Alibaba による10大投資の総額は、投資をしまくった2015年に比べると20億ドルほど下回っているものの110億ドルに達した。
10件中の3件が海外への投資であり、この中国のテック大手のインドと東南アジアに対する関心が高まっていることが分かる。
以下が、その10件だ。なお下に挙げた額は、他の投資家からの出資額も含んでいる可能性がある。
1. Sun Art(高鑫)
資金調達ラウンド:29億ドル
国:中国
アマゾンがホールフーズを買収してから半年後、Alibaba も食品スーパーの分野に乗り出した。約30億ドルを払って、株式の3分の1を取得。Sun Art Retail は、RT-Mart(大潤発)など知名度の高いスーパーマーケットを運営している。
2. Intime(銀泰)
資金調達ラウンド:26億ドル
国:中国
Alibaba がオフラインの店舗に真剣になり始めたのは2014年初期のことだ。当時、7億ドルをデパートとモールを運営する Intme に出資した。2017年、さらに26億ドルを投資して、Intime への関与を深めた。
3. Tokopedia
資金調達ラウンド:11億ドル
国:インドネシア
2017年はかつてないほど、 Alibaba が海外企業への投資に積極的になった年だ。今年、インドネシアのeコマースアプリ Tokopedia に大金を入れることで、東南アジアのオンラインショッピング業界での力を増した。
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4. Lazada
資金調達ラウンド:10億ドル
国:インドネシア
4月に Alibaba は Lazada に追加出資をして、株式の取得率をそれ以前の51パーセントから83パーセントへと高めた。
CEO の Daniel Zhang(張勇)氏 は次のように述べている。
この地域のeコマースマーケットはまだ比較的未開拓の状態です。私たちはさらに大きく進展すると考えています。
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5. Ele.me(餓了麼)
資金調達ラウンド:10億ドル
国:中国
中国国内のフードデリバリーに対する関心の高まりに押されて、 Alibaba は Ele.me に投資した。フードデリバリーアプリの分野を牽引している会社だ。
Alibaba のライバルである Tencent(騰訊)も投資に参加している。
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6. Cainiao(菜鳥)
資金調達ラウンド:7億9900万ドル
国:中国
Cainiao は Alibaba のロジスティクスを担当しており、倉庫やパートナーのトラックのネットワークを築いている。毎日5,700万件ものの配送を処理している。
今回の投資で、 Alibaba は Cainiao の株式取得比率を51パーセントにまで高めた。
7. Ofo(小黄車)
資金調達ラウンド:7億ドル
国:中国
Ofo は、中国のバイクシェアリングアプリの二強の一つだ。
他の多くのバイクシェアリングサービスは苦戦した年となったが、Ofo とMobike(摩拜単車)は資金調達に成功して海外へと展開を始めている。
Ofo は15カ国180の都市で運営しており、毎日2,500万件以上の乗車がある。
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8. Souche(捜車)
資金調達ラウンド:3億3500万ドル
国:中国
Souche とは中国語で「車を検索する」という意味だ。名前のとおり、中古車の買い手の検索エンジンを運営している。
同社は、2018年末のアメリカでの IPO を目指している。
9. Yiguo(易果)
資金調達ラウンド:3億ドル
国:中国
生鮮食品アプリ Yiguo は、中国国内200都市でサービスを運営している。いくつかの大都市では同日配送も行う。
Alibaba によるYiguo への投資は今回で四度目だ。他の小売業への投資と同様に、出資を通じて Alibaba はロジスティクスでの強みを増すことができる。今回は、特に Yiguo が築いてきた冷蔵食品向けの配送トラックのネットワークへのアクセスが可能になる。
10. BigBasket
資金調達ラウンド:2億8000万ドル
国:インド
多くの情報源によると、インドでは Alibaba の食品スーパースタートアップ BigBasket への投資が最終段階だ。BigBasket は Amazon Now に対抗する存在だ。
この投資が実現すれば、モバイルウォレットアプリ Paytmへの投資以来、 Alibaba のインド企業への最大の投資となる。実に、Paytm は今回の BigBasket の資金調達ラウンドに参加するとも言われている。
(本記事は抄訳になります。)
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