Facebook、友人家族の投稿を増やし、ニュースや企業コンテンツを減らす方向性を発表

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flicker: Maurizio Pesce

Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは、ニュースフィードに表示する内容について、大きな変更を行う予定であることを発表した。メディアやブランドの投稿を減らして、その代わりにFacebook上でつながっている友人や家族の投稿を増やす予定であるという。

ザッカーバーグCEOは、本日Facebook上の投稿で次のように述べている。

私たちは、人々がつながるため、自分にとって重要な人々をより近くに感じられるようにするためにFacebookを作りました。だからこそ、私たちは友人と家族をこのエクスペリエンスの中心においてきました。

ですが、最近はコミュニティからパブリックなコンテンツーービジネス、ブランド、メディアからの投稿ーーが増えて、お互いにつながるきっかけとなるようなパーソナルな瞬間が少なくなってるというフィードバックがありました。

(中略)

私たちは、Facebookをつくる方法において重要な変更を加えることにしました。プロダクトチームに与えた目標を関連コンテンツを見つけやすくすることよりも、意義深いソーシャルなインタラクションが増えることにフォーカスするように変えました。

このニュースが業界、そしてFacebook自身に与えるインパクトは大きいだろう。

Facebookにとっては原点回帰ともいえるが、パブリッシャーやブランドにとっては、こうした方向にFacebookが進むことで、コンテンツや広告を同SNSに掲載するメリットが低くなる。パブリッシャーが得られるページビュー数は、GoogleとFacebookの二強テック大手間で競争が繰り広げられており、最近ではGoogleの勢いが再度増して、Facebookとの差を広げている傾向にあったが、今後さらにこの傾向が進むのではないかと、パブリッシャーと投資家の懸念はふくらむだろう。

また、Facebookの友人間での情報共有の形は、オルタナ右翼のような一部の偏った思想グループに燃料を投下した、コミュニティの分断を招いたと批判する声もある。Facebookに限ることではないものの、似た価値観・思想でつながる友人間で情報が共有・拡散されることによって、自分の価値観によって「見える世界」が大きく変わる。今回の方針は、この傾向をさらに加速するのではないだろうか。

Facebookは、SNS機能とニュース・広告プラットフォーム機能のバランスをとるべく模索が続いている。たとえば、現在は「Today In」という、ローカルなニュースやイベント情報がフィードで得られる新しいセクションを米国の一部の都市で実験中だ。

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