Baidu(百度)傘下の動画ストリーミングサービスiQiyi(愛奇芸)、アメリカで10億米ドル規模のIPOを申請中か

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IFR によると、中国の人気動画ストリーミングサービスの iQiyi(愛奇芸)がひそかにアメリカで IPO の申請を行っているという。今回の計画をよく知る情報筋は、同社が2018年第1四半期末もしくは第2四半期初めまでに10億米ドルの調達を目指していると話す。IPOに関する計画について、iQiyi はコメントを控えている。

iQiyi の IPO に関する噂は、昨年の終わり頃からあちこちで聞かれていた。9月には Bloomberg が、iQiyi がアメリカでの IPO に向け動いていると報じ、同動画ストリーミングサービスの評価額が80億米ドルを超える見込みとした。また2017年10月には、iQiyi が取引管理を支援してもらう金融機関として、Bank of America、Credit Suisse、Goldman Sachs の3社を選出したと IFR が報じている

iQiyi は Netflix と同種の動画ストリーミングサービスだ。2012年に中国の大手検索エンジン Baidu(百度)が筆頭株主となり、現在はその傘下にある。2013年にはBaidu が同じく人気動画ストリーミングプラットフォームの PPS を3億7,000万米ドルで買収し、2つの動画配信会社を統合した。その後、iQiyi は自社制作コンテンツや独占オンライン放送、そしてバラエティ番組などの分野へと事業拡大していった。

2017年は iQiyi にとって素晴らしい年となった。2月には過去最高となる15億3,000万米ドルを調達した。そして4月、同社は中国企業として初めて Netflix の放映権を獲得した。

Baidu によると、2016年末時点でiQiyiの月間アクティブユーザ数は4億8,100万人にのぼり、有料会員についても6,000万人以上に増加したとみられる。

iQiyi の評価額は常に注目の的だ。2016年、Baidu は iQiyi の支配権を推定評価額28億米ドルで買収する予定だった。しかし、Baidu の株主である Acacia Partners が Baidu の CEO であるRobin Li(李彦宏)氏宛てに公開書簡を送り、その評価額が58億米ドルに上昇している可能性を指摘したことから、買収は見送られた。

中国の動画コンテンツ向けオンライン市場は急速に成長している。高品質なオリジナルコンテンツ(そして購入意欲)が高まるにつれ、必然的に相当量の投資金額が必要となる。iQiyi や競合の Alibaba(阿里巴巴)率いる Youku(優酷)、Tencent Video(騰訊視頻)のような動画ストリーミングサービスを見ても、損失は珍しくない。

Jefferies のエクイティ・アナリスト Karen Chan 氏は最近のレポートで次のように述べている。

動画コンテンツのコストが100億人民元(1,730億円)に達したとすれば、営業損失は2016年の24億人民元(約415億円)から2017年には16億人民元(約277億円)に減少し、2018年には損益分岐点に達すると予想しています。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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