大阪発・ブロックチェーンによるメッセージングアプリ/仮想通貨ウォレット「LABO」、最大30億円相当を調達するICOを25日から開始

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大阪を拠点に、ブロックチェーン技術を用いたメッセージングアプリ 兼 仮想通貨ウォレット「LABO」を開発する LABO は、25日午後3時(日本時間)から ERC20 準拠の独自トークン「LABO」のトークンセールによる ICO のプレセール を開始する。同社発行のホワイトペーパーによれば、トークンの総発行数は2,800万 LABO。1LABO は0.001ETH(イーサリアム)と交換されるため、本稿執筆段階での日本円/ETH 間交換レートを適用すると、最大で30億円相当額を調達する見込み。

トークンセールは6日間にわたって実施される予定で、購入するタイミングに応じて最大で20%のボーナスが付与される。詳細条件については、LABO のウェブサイトホワイトペーパーを参照してほしい。

従来のメッセージングプラットフォーム(SNS など)と、LABO の違い
Image credit: LABO

LABO は CEO の松本氏をはじめ、大阪や東京を拠点に活動する有志数名によって進められているプロジェクトだ。中国政府がメッセージのやりとりを検閲しているとされる WeChat(微信)に限らず、メッセージングアプリはメッセージがサーバを経由する特性上、運営主体はその気になれば、ユーザ同士のやりとりを盗み見することは技術的には可能である(ただし、一般的には電気通信法や企業の内規によって、そのような行動は禁止されている)。LABO のチームは、ブロックチェーンの効用の一つである dApp(非中央集権化型アプリ) でメッセージングの世界に乗り込む。

かつて同じようなサーバを介さないメッセージングアプリの思想は、電通ブルーが2015年に発表した「PandeChat」や、2014年の香港での普通選挙を求める学生デモ(通称・雨傘革命)での多用で知られた「FireChat」など、BLE (Bluetooth Low Energy)を使ったアプリでも見られた。LABO では、ネットワークインフラとしてはインターネットを使い、メッセージング基盤としてはブロックチェーンを使うことで、スケーラブルかつリアルタイムでありながら、完全にセキュアなメッセージング環境の実現を目指す。一般ユーザに受け入れられやすいものにする意図から、ユーザ間で仮想通貨の送受ができるウォレット機能も備える。

LABO の主要メンバー
Image credit: LABO

LABO は、iOS と Android の両プラットフォームでアプリとして公開予定。コミュニティドリブンなアプローチをとるため、ソースコードについてはオープンソースとして GitHub 上に公開される見込み。将来的には、LABO トークンのうち LABO 持分を減らしコミュニティでの流通量を増やすことで、恩恵に預かる皆が LABO を追加開発したり、さまざまなアプリに連携したりする世界観を作っていきたいようだ。

LABO を送金アプリとして見れば、受け取り側にはスマートフォンとアプリがインストールされてさえいればいいことから、店頭に QR コードを掲げておくだけで購入者から代金相当額を受け取れる、AliPay(支付宝)や WeChat(微信支付)が中国で展開するユーザエクスペリエンスを日本でも容易に展開できるかもしれない。LABO のチームでは、TREZOR などハードウェア型の仮想通貨ウォレットなどとも連携を図り、面白いユーザエクスペリエンスを追求していきたいとしている。

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