P2P金銭貸借プラットフォーム「Celsius」CEOのAlex Mashinsky氏:「ブロックチェーンの発展が仮想通貨のスケーリングの問題を解決する」

by e27 e27 on 2018.2.6

アメリカ・サンタモニカで2017年10月に開催された Block-Con 2017 で話すAlex Mashinsky 氏
Image credit: Block-Con

ブロックチェーンがテクノロジー産業においてもっとも興味深い話題の一つとなっていることを受け、我々はブロックチェーンの専門家である Alex Mashinsky 氏にインタビューを行った。同氏はイスラエル系アメリカ人のテクノロジー起業家であり、Celsius Network の設立者でもある。

1: ブロックチェーンが今日の世界をどう変えているのか、ブロックチェーンの専門家としてのお考えをお聞かせ願えますか?

Alex 氏: ここ数年、人類の現代史上最大の富の移動が起きています。より多くの人がブロックチェーンや仮想通貨のポテンシャルに興味を持ち始めているのです。

とは言え、今のところは世界中でおよそ4,000万人しか仮想通貨を所有していないという推定で、つまり世界人口の0.5%です。世界の舞台でインパクトを持つようになるには、急速に普及してもあと数年は必要でしょう。

2: ICO はブロックチェーン技術と関連付けられることが多いですが、どのように実行されているのでしょう?

Alex 氏: Internet Coin Offerings(ICO)とは銀行や投資会社のような旧来の金融機関を経ることなく、企業が資金を集めることができる新しい方法です。ICO は旧来の証券取引所の外でコインやトークンの取引を可能にします。それによって、はじめて、99%が1%に先んじて新たな富の創造にアクセスすることができるようになるのです。

3: より多くのスタートアップが ICO の世界に参加するようになってきています。スタートアップの世界にはこのような大きな変化が起きているようです。既に非常に多くの仮想通貨が発行されていますが、ICO の世界はアプリストアのように人が集まると思いますか?ご意見をお聞かせください。

Alex 氏: 今日、どのプロジェクトが成功しどのプロジェクトが失敗するのかという判断は困難です。市場が成熟するにつれそれらの企業を幅広く受け入れるようになるでしょうし、おそらくプロジェクトの90%以上は失敗に終わることでしょう。ICO の相場と展開は飛躍的に成長を続けています。今は数千ですが将来的には数百万の企業が ICO を使用したこの新たな方法で資金調達を行うようになるということもあり得ない話ではありません。普及と使用という点で少数のアプリが市場を支配するアプリストアと似たパターンを、現在の ICO エコシステムにおいても見ることができます。

4: 今後5年間でブロックチェーンはどのように発展していくと思いますか?

Alex 氏: スピードとコストに関する現在の課題は、プルーフオブステークとプルーフオブアセットの発達で解消されるでしょう。またこれによって今日我々が処理時間で目にするスケーリング問題も解決されると思われます。さらに、特定の業界の問題を解決することで、限定された参加者へ向けた多くのプライベートブロックチェーンが成功することも期待できます。

Alex Mashinsky 氏の率いる「Celsius」
Image credit: Celsius

5: 多くの種類の仮想通貨を保有するとどういった利益があるのでしょうか。これらの仮想通貨は世界の既存の通貨に打ち勝つことはできるのでしょうか、そして何よりも重要なことは、ミレニアル世代は仮想通貨の使用を完全に受け入れることができるのでしょうか?

Alex 氏: Ethereum の ERC-20を基にした仮想通貨は、特定の高度な機能が可能なスマートコントラクトを利用できます。それにより次は、企業が特定の問題に対して旧来の集中型のシステムよりもローコストな新たな問題解決方法に専念することができるようになります。新しい形態のトークンはクラウドストレージやコンピュータ処理、セキュリティや貸借まわりの問題を解決しようとしています。仮想通貨が増えるほどに、特定の産業が独占しコントロールすることができなくなり、自然な競争が可能となります。

インターネットは多くの産業に変革を起こしてきましたが、銀行の独占を解体することはほとんどできませんでした。仮想通貨は世界の経済システムに対する旧来の金融の影響力をついに粉砕し、インターネットができなかったことを成し遂げるでしょう。仮想通貨は個々の政府にコントロールされている既存の法定通貨と必ずしも勝負する必要はありません。仮想通貨は分散型として作られました。つまり、コードや取り扱いの記録をコントロールするような個としての存在はないということです。

ミレニアル世代はおそらく仮想通貨を受け入れるのが主流となる最初の年齢層になると思います。とは言え、今週(1月第4週)の Forbes の調査によればビットコインについて聞いたことがあるのはミレニアル世代の42%に過ぎません。

6: ブロックチェーンは金融取引の自由であると言う人もいますが、セキュリティに関してはどうでしょうか。安心して大丈夫なのか、それとも何か危険があるのでしょうか?

Alex氏: 仮想通貨それ自体とウォレットに関してはきわめて安全です。今日まで、どちらもハッキングで破られたことはありません。ビットコインは時価総額3,000億米ドルを超えています。この宝の山に辿り着こうとハッカーたちが日々格闘していることは間違いないでしょうが、9年間の歴史の中で成し遂げた者はいません。

一方で、取引所は企業が所有する集中型のシステムであり、ハッキングを受ける可能性はずっと高くなります。こういった構造は今注目されている分散型のピアツーピアタイプの取引へと見直される必要があります。

7: 今現在 ICO は大きな話題となっています。仮想通貨の未来についていかがお考えでしょうか。仮想通貨が既知の通貨に取って代わると、本当に期待してもいいのでしょうか?

Alex 氏: これは価値の貯蔵を代表する新たなメカニズムをかけた勝負です。伝統的に人々は法定通貨や商品を価値の貯蔵に用いてきました。一方で仮想通貨は本当の意味で価値を代替する存在です。どんな政府にもコントロールされることがなく、刷って水増しするということもできません。

8: 2018年のビットコインの価格はどうなるとお考えでしょうか?

Alex 氏: いくつか修正することになるでしょうけども、年末には2万米ドルから3万米ドルの間になると思います。さらに多くの資本が流入してきて、売りに出されるコインはより少なくなるでしょう。

【via e27】 @E27co

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