福岡のDentaLight、VC4社とエンジェル複数から1.6億円を調達——歯科医院向け予約&CRM「ジニー」、セルフケアアプリ「myDental」を開発

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2018.2.3

福岡に拠点を置くスタートアップで、歯科医院向けの予約および CRMソリューション「ジニー」、歯科患者向けのセルフケアアプリ「myDental(マイデンタル)」を開発する DentaLight(デンタライト)は3日、昨年8月から昨年末にかけてのシードラウンド・シードラウンドのフォローオン、プレシリーズ A ラウンドを通じて、総額1億6,000万円を調達したことを明らかにした。

この3つのラウンドに参加したのは、500 Startups Japan、ドーガン・ベータ、F Ventures、BEENEXT、千葉功太郎氏、秦充洋氏(元ケアネット共同創業者)、山口英彦氏(グロービス経営大学院経営研究科教授)、および、名前を開示していない個人投資家複数名。DentaLight では、調達した資金を使ってジニーと myDental の開発と普及、人材の採用活動を強化するとしている。

DentaLight は2013年10月、歯科コンサルティング業を営んでいた藤久保元希氏(現 CEO)が設立したスタートアップだ。歯科には、診療内容によって一般歯科・矯正審美歯科・口腔外科などに大別されるが、これらを合計した日本の歯科合計軒数は約68,000軒と、数で言えばコンビニエンスストアの総数(約62,000軒)よりも多い。人口は減っているのに歯科医院は依然として増え続けているというから、競争が激化していることは素人目にも明らかだ。

一方で、リスティング広告などで新規顧客(患者)で集めてみても——これがまさに藤久保氏の以前の生業だが——、何度かは歯医者に通ってくれるのだが、気がついた頃には離脱している。歯医者に通ったことがある読者にも、なんとなく想像がつくだろう。痛みを覚えたのをきっかけに虫歯の治療で歯医者に通ってみるも、痛みがとれて一定の治療が進んだところで、歯医者に通うのをやめてしまうのだ。

DentaLight では、このような課題を解決するために、歯科医院が患者に対して予防治療を含めたリテンションのツールとして使えるジニー(名前の由来は「お大事に〜」から)、また、患者は次の通院がどういう治療目的なのかの説明を受け、予約時間のリマインド告知などで通院のモチベーションをもたらす MyDental を開発した(MyDental は3月を目標に開発中で、現在機能の一部がモバイルの SMS で代替されている)。

DentaLight では、これまでにジニーを福岡県・山口県の50軒程度の歯科医院に導入。歯科医院の約8割程度では、(カルテではなく)患者管理(一般企業で言えば顧客管理)を紙の台帳に依存しているそうだが、最良のケースではジニー導入により60時間の労働時間削減を実現し、売上が1.2倍になったところもあるという。歯科医院の営業形態は都市部と郊外では大きく異なるそうで、特に郊外型の歯科医院では、少ない受付担当者で多くの患者を診る必要があるため、引継業務などが煩雑化する傾向にあり、ジニーが威力を発揮するのだという。

現在開発中の myDental では、例えば、家族で歯科医院に通院している場合、子供がちゃんと歯科医院に行ったかどうかを母親がアプリで確認できたり、歯科医院に入っているシステム(クラウド化はされておらず、オンプレミスの場合が多い)と連携し、治療の履歴や写真を見れたりするようにしたい、とのことだ。

今後は福岡県や山口県だけでなく、医療産業都市を宣言している神戸市や東京都内の歯科医院にも進出したいとのこだが、前述したように都市部と郊外では歯科医の事業形態が異なるため、ジニーや myDental のビジネスモデルにも何かしら微調整が必要かもしれない、と藤久保氏は正直な心境を語ってくれた。

DentaLight は2014年、「歯科技工所.com」で第2回 GLOBIS Venture Challenge(GVC)で優秀賞を受賞、これまでに TECH LAB PAAK 第8期500 KOBE ACCELERATOR に採択された。今月には福岡で開催さっれる ICC サミット FUKUOKA 2018「スタートアップ・カタパルト」に出場が決定している。

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