中国のP2P金融「Dianrong(点融)」、オリックス系がリードした2回目のシリーズDで7,000万米ドルを調達——昨年から噂されるIPOは「未定」

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中国のオンラインレンディングプラットフォームの Dianrong(点融)は本日(1月24日)、2回目のシリーズDラウンドで7,000万米ドルを調達したと発表した。このラウンドをリードしたのはオリックス傘下の投資ビークル ORIX Asia Capital(欧力士亜洲資本)で、中国の大手投資銀行 CITIC Securities(中信証券)の国外プラットフォーム CLSA が参加した。

今回の同社による調達案件は、2017年8月に GIC Private Limited(シンガポール政府投資公社)がリードし CMIG Leasing(中民投)と Simone Investment Managers が参加した2億2,000万米ドルのシリーズ D ラウンドに続くものだ。この大がかりなラウンド以前には、2015年にシリーズ C ラウンドで2億700万米ドルを調達している。このラウンドは Standard Chartered Private Equity がリードし、China Fintech Fund が参加した。これまでの資金調達ラウンドでの投資家には、Tiger Global Management、AMTD、Northern Lights Venture Capital、Max Giant などがいる。

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オリックスは世界的に拠点を持ち、イノベーションと価値創造の取り組みで実績の証明された驚くべき企業です。オリックスを当社に迎え、中国やこの地域の中小企業の金融ニーズにうまく応えるためにフィンテックのさらなる活用で協業していけることを楽しみにしています。

CLSA は、アジアで最もダイナミックな企業のいくつかとつながりがあり、その機能の拡張に向けて中国のフィンテックセクターを支援することにますます関心を持っています。当社はこの取り組みを共有しており、さらに多くの中小企業が成長と成功に向けてフィンテックを活用する手助けをしていくことが楽しみです。(Dianrong の設立者兼エグゼクティブチェアマンの Soul Htite 氏)

昨年半ば、中国のフィンテックスタートアップの間では IPO がラッシュを迎えたが、Dianrong も IPO の候補企業として噂されていた。同社は昨年12月に経営陣の変更があり、共同設立者の Soul Htite 氏とKevin Guo 氏は共同社長という役職から退いている。この動きは、IPO の準備に向け、自社を投資家からみて魅力的にする一つのステップとみられていた。

IPO の計画について質問したところ、次のような回答を得た。

当社は幸い十分な資本に恵まれており、オリックスや CLSA をはじめとして、フィンテックに理解があり、当社の成長戦略を支援してくれる投資家からの恩恵を引き続き受けていきます。とはいえ、当社は引き続き資本市場でのあらゆる選択肢を調査しているところであり、最終的な決定はまだなされていません。

2012年に設立された Dianrong は、個人や中小企業にローンサービスを提供し、投資商品を販売している。同社はよく、中国版 Lendingclub だと言われる。アメリカを拠点とするLendingclub の設立者である Soul Htite 氏が設立に関わったことだけでなく、そのビジネスモデルがこのアメリカ企業と共通するところがあるからだ。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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