競争が加熱するデザインツール領域ーーUIデザインツールのFigmaが2,500万ドルを調達、Adobeに対抗

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上: Figma.
Image Credit: Figma

ブラウザ上で動作するインターフェースデザイン・プロトタイピングツールのFigmaが、シリーズBラウンドでKleiner Perkins、Greylocks、Index Venturesから2500万ドルを調達した。

2012年にサンフランシスコで創業したFigmaは、 UIデザインとプロトタイピングの領域で戦っている会社のひとつだ。 Figmaは、自分たちには数多くの強みがあると主張する。

例えば、Figmaはブラウザ上で動作し、 同じアプリや Webサイトデザインに取り組んでいる他のチームメンバーとの共同作業を支援する。 また、ファイルをアップロード・ダウンロードする必要なしにリアルタイムの共有が可能だ。作業者の編集履歴は他のチームメンバーにも即座に共有され、すぐに議論始めることができる機能も備わっている。 簡単に言えば、デザイン、プロトタイピング、コラボレーションなどインターフェイス制作プロセスに関わる領域における Google ドキュメントのような存在だ。

上:Figma上でモバイルアプリのデザインプロジェクトを議論するメンバー

他のUI デザインツールと同様に、Figmaはスマートフォン向けのミラーアプリも提供しており、 実際のデバイス上でアプリのデザインがどのような見栄えかを確認することができる。同社はデスクトップアプリも提供しており、いくつかの機能はオフラインでも動作する。

Figmaは2015年にローンチしたが、 翌年までは正式公開していなかった。同社は現在まで1800ドル余りの資金を調達しており、投資家にはGreylock、Index、LinkedIn の CEO Jeff Weiner 氏、また コンピュータサイエンティストのDJ Patil氏が 参加している。今回調達した2500万ドルの資金をもとに、法人向けの戦略を強化していく予定だ。

この領域における競合は、昨年10月に18ヶ月のデータ番号 Adobe XD というプロトタイピング・ワイヤーフレーミングツールをローンチしたAdobeがいる。 Adobe XD はまだ誕生したばかりだが、同社のこれまでのデザイン領域における実績と評価があれば Figmaのような会社にとって大きなライバルとなるだろう。その他ニューヨークに拠点を置くInVisionも同様のUI プロトタイピングツールを提供する。InVisionではモックアップとワイヤーフレームに、それぞれ別のデザインツールを用いる必要がある。また、オランダのスタートアップのBohemian Coding は Mac上でのみ動作するアプリSketchを提供している。

デザイナーの世界でこうしたツールに対する需要が大きいのは明らかだ。数ヶ月前にはインビジョンは1億ドルを調達し、2011年の創業から今日まで調達した資金は2億3000万ドルに達する。その直後には、デザインプロトタイピングツールを開発するオランダのFramerが、770万ドルを調達している

Figma曰く、 MicrosoftやUber、Slackといった大手クライアントも使用しているとのこと。また、Figmaの最近の資金調達ラウンドに主導したKleiner Perkinsは、 Slackの投資家の一人である。Kleiner PerkinsのジェネラルパートナーのMamoon Hamid氏は、SlackとFimgaにはいくつかの共通点があると述べている。

Figma はデザインプロセスをよりオープンかつコラボレーティブにし、その結果ユーザーは新しいプロダクトの開発と市場への投入をより迅速に行うことが可能になります。多くの点で、Figmaのトラクションとポテンシャルは以前のSlackを思い出させるものです。

Figmaは、Hamid氏が昨年8月にKleiner Perkinsに参画して以来初めての投資先となった。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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