メルカリが「メルチャリ」でシェアサイクル事業に参入、2月中に福岡の企業および個人との共同運用型でスタート

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写真左よりメルカリ執行役員兼ソウゾウ代表取締役の松本龍祐氏、
ソウゾウのメルチャリプロダクト責任者の井上雅意氏

メルカリ子会社で地域コミュニティアプリ「メルカリアッテ」などを運営するソウゾウは2月13日、都内の同社オフィスにてメルカリ新サービス「メルチャリ」事業説明会を開き、シェアサイクル事業への参入を発表した。同サービスは2月27日より福岡市内で開始される。

同サービスは共同運用型のシェアサイクルサービス。メルチャリのアプリ上に記載されている専用ポート(駐輪場)で自転車を借り、目的地近くのポートへ自転車を返す。料金は4円/分で乗った分だけを支払う料金システム。使用時間はQRコードでスマートロックの鍵を開けた時点でタイマーが始動し、鍵を閉じるとライドが終了する。iOS版のみ先行提供で開始予定、プロダクト責任者はソウゾウの井上雅意氏が担当する。

「短い時間で使われることを想定しています。時間は15分程度で考えており、これを元に15分でも短い時間でたくさん使ってもらえる料金設定を導入しました」(伊藤氏)。

福岡市では博多・天神・ウォーターフロントエリアを中心に展開。サービス開始時点でのポート数は50箇所、自転車は400台以上の設置を予定している。「夏頃までには200箇所、2000台程度の自転車投入を予定している」ということだ。福岡でのサービス開始の理由について、ソウゾウ代表取締役の松本龍祐氏は下記のように語る。

「すでにカスタマーサポートの拠点として福岡がある点。そして福岡市自体が平らな土地柄で自転車の移動に適している地域だというところ。さらに中心街の間での回遊性の向上を望め、公共交通の間を埋められる可能性を持つ地域であると考えました」(松本)。

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QRコードで鍵の開け閉めが可能

「メルチャリ」で借りることができる自転車は20インチ、3段階ギア、日本製の非電動アシスト自転車。鍵はコネクティッド・ロックの開発などを事業とするtsumugのスマートロックを搭載、QRコードで解錠することができる。自転車にはGPSが内臓されており、アプリ上で自転車の駐輪場所をリアルタイムに把握することも可能だ。

共同運営型でポートのシェアや放置自転車への対策を実施

同サービスの特徴は地域の企業や個人との共同運営型という点。サービス開始時の自転車のポート提供に参画するパートナー企業はアパホテルやインベルターズクラウド、ファミリーマート、新生堂薬局など13社。さらに地域の民間企業に加えて、個人宅や店舗の軒先などの空いているスペースを公募する。

「家の空きスペースがポートになることによって、そのまま乗って自転車を乗り捨てするなど新しい利便性が生まれるのではないかと思っています。また、店舗ではお客様の来店機会促進のメリットになればと考えています」(伊藤)。

サービスのサポート体制はカスタマーサポートによる監視と故障やトラブルへの対応を365日実施する。西鉄運輸との連携により、サポートトラックを街中に走らせ、放置や違法駐輪のメルチャリ自転車や故障者を移動・回収する流れも用意している。

個人単位でも故障やトラブル防止に協力したユーザーに対しては、メルチャリのマイルを付与することで共同運用体制の仕組み作りを実施。ポート以外に放置された自転車を発見した場合はポートに戻す、故障を発見した場合は故障発見フォームから報告を出す、といった行動をすることでマイルが溜まる。

「自転車が足りない、過剰にあるというポート間の自転車再配置や放置自転車に対して対策をしていく必要があります。ただし、これらには1企業では限界もあるため、個人や企業の方々にサポーターとして協力してもらうことを考えています。そのためにインセンティブでのきっかけ作りやマイルの付与、放置自転車を見つける際のゲーム性、成果の可視化などにより充足感を感じてもらうように体制化していきます」(伊藤)。

メルカリなどのサービス連携も視野に

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現状、メルチャリで溜まったマイルでメルカリのポイントを使うことはできない。しかし今後はサービス連携も視野に入れていくということだった。現状マイルはポイントをそのまま使えるというよりは、一定マイルが溜まるとサービスやノベルティを付与してもらえるといった仕組みを予定されている。

「街中でぱっと見るとメルチャリがあって、すぐに乗れるという世界観を考えてます」(伊藤氏)。

時期や場所など確定していることはないが、新たな地域への拡大も検討している。

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