オフィスでコーヒーを無料配布、関連広告も配信ーー商品サンプルを配布したい施設とメーカーのマッチング「aircatalog」が資金調達

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キャトル代表取締役の横町享之氏

消費財サンプリングのマッチング「aircatalog(エアカタログ)」を提供するキャトルは3月1日、第三者割当増資の実施を公表した。引受先となったのはハックベンチャーズ、名古屋テレビ・ベンチャーズおよび個人としてアクセルマーク代表取締役の尾下順治氏、ATOMICO代表パートナーの岩田真一氏で調達した資金は5250万円。同社は同時にマーケティング事業を展開するフルスピードと業務提携し、新たなプロモーション商品の提供開始も伝えている。

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aircatalogはコスメや飲料などの商品サンプルを消費者に無償配布したいメーカーと、それを配布してくれる施設をマッチングしてくれるサービス。商品配布したいメーカーはサンプリングしたい商品とターゲット層となるユーザーの年代や職業、地域などを登録しておくと、その商品サンプルが欲しい施設からのリクエストを得ることができる。

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商品は直接メーカーから施設に送付する方法で、料金は個数に応じてaircatalog側に支払うモデル。現在、サンプリング可能な施設は全国で1万5000箇所が登録されている。

今回提携を発表したフルスピードとは同社の提供する「ADMATRIX DSP」と連動したプロモーションを展開する。ADMATRIX DSPは特定事業者のオフィスに指定されるIPアドレスを元に広告配信のターゲティングを設定できるもので、例えばとあるオフィスで働く人たちがインターネットにアクセスすると、そのIPアドレスを参照して指定の広告を配信することができる。

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これとaircatalogを連動させることで、例えば朝にオフィスへ出社してきた人に配布されたコーヒーに関連した情報がそのオフィスでのみインターネット上に広告として表示される、という連携が可能になる。

aircatalogを運営するキャトルの創業は2014年12月。元々商品サンプリングはメーカーのマーケティング企画の一部として取り扱われることが多く、それ単体で実施するとどうしてもコストの面で効率が悪い。ぐるなびや@コスメでセールスマーケティングに携わった横町享之氏はこの商品サンプリングの仕組みに改善の余地があると気がつき同サービスを着想した。

ただ、商品サンプリングを代行する事業はすでにある。企業から商品を預かり、ポップアップなどのブースを設けて直接消費者に届けるパターンだ。しかし横町氏はそのモデルではいわゆるサンプルが欲しいだけのユーザーが集まるなどの非効率が発生してしまうため、今回のようにメーカーと施設をマッチングさせる方法を採用することにしたという。

メーカーの満足度について聞いたが、現時点ではまだ効果測定など定量的な情報の提供はされておらず、それよりも広告代理店などを通さず直接施設に商品サンプルを送付できる、という効率化の面を評価されている段階という話だった。

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