ソーシャルレンディングは昨年比2.5倍の1300億円市場にーー比較サイト「クラウドポート」3.1億円調達

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左から共同創業者の柴田陽氏と代表取締役の藤田雄一郎氏

ソーシャルレンディング比較サイト「クラウドポート」は3月13日、B Dash Ventures、AGキャピタル、みずほキャピタル他を引受先とする第三者割当増資の実施を発表した。調達した金額は総額3億1000万円で、払込日や出資比率などの詳細は非公開。同社は比較サイトクラウドポートを引き続き展開すると同時に、今回の増資で新サービスの開発にも着手する。

クラウドポートは2016年11月に連続起業家の柴田陽氏と藤田雄一郎氏が創業し、翌年2月に同名のサービスを公開している。THE BRIDGEも基礎的な知識を読者のみなさんに共有するため、同サイトから転載させてもらっていたことがあるので、ソーシャルレンディングとはなんぞやという方はこちらをぜひ参照いただきたい。

グローバルでのソーシャルレンディング(P2P融資)市場は今後10年間で1兆ドル(約100兆円)規模に到達するというレポートもある。一方国内もここ数年で立ち上がりつつあり、クラウドポートの独自調査によれば、昨年533億円だった融資金の総額は約2.5倍近く、1316億円に拡大しているそうだ。

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藤田氏によれば、やはり銀行ではカバーしづらい領域の資金ニーズがあり、そこに個人間融資であるソーシャルレンディングがうまくはまっているという話だった。

例えば不動産投資はソーシャルレンディングでも人気の案件だが、元々、銀行融資が難しい古民家などをリノベーションする際の資金をソーシャルレンディグで集め、しっかりとした投資可能な物件にした後で銀行から借り入れをする、などの連携があるのだという。

また、出資する側のニーズも興味深い。昨今は話題に事欠かない仮想通貨や株高の市況もあって、ボラティリティの高い金融商品が目立つようになってきた。ビットコインのFXなどは実際の取引をしたことのある人であれば理解できるだろうが、ほぼギャンブルに等しい状況だ。こういう極端にハイリスク・ハイリターンの商品がある一方、銀行の預金金利は地を這うような数字になっている。

ソーシャルレンディングは昨年に不適切な事業運営で行政処分を受けた「みんなのクレジット」のような事業者も出てきたこともあり、ややもするとハイリスク・ハイリターンの部類に入りそうな印象もある。しかし、実際は取り扱いをする事業者がデフォルトのリスクを相当に嫌って審査や案件選別を厳しくしているそうで、結果的に投資商品としてはマイルドな位置付けになっているという。

こういった人気の背景もあり、現在、クラウドポートに掲載している事業者は23社に拡大。まだこれ以外にも4、5社が事業に必要な第二種金融商品取引業の取得準備などを進めているそうだ。

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