月経トラッキングや避妊薬デリバリーなど、女性を対象にした「フェムテック」が成長中

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Image Credit: Frost & Sullivan report

2017年は世界中の女性にとって画期的な年となった。#MeToo や #TimesUp , Women’s Marchのようなムーブメントが火を付けた形となった。

テック業界でもフェムテック(female technology)が成長しており、2014年以降、10億ドル以上の資金が注がれている。国際女性の日を記念して、Frost & Sullivan はこの成長中の領域に関するデータをリリースした。それによると、2025年までにこの市場は500億ドル規模にまで成長する可能性があるという。

フェムテックはニッチなセクターだと多くの人に思わされているようだが、実際には世界の人口の50%をターゲットにしている。月経トラッキングアプリから、スマート搾乳機、性的な健康に関するプロダクトなど、ティーネイジャーから40代の女性、閉経後のベビーブーム世代まで、フェムテックは様々な形で女性のニーズと健康を解決しようとしている。

Frost & Sullivan は女性の経済力と消費者行動に関して、以下のような知見を述べている。

  • 家庭のヘルスケアに関わる消費の80%は女性が行なっている。労働者年齢の女性は、同じ年齢層の男性に比べて一人当たりのヘルスケアに関する消費は29%高い。
  • ヘルスケアの世界の消費者の半数は女性であり、女性は高齢者と子供に対する主なケア提供者である。
  • 女性のインターネットユーザーの66%が、ヘルスケア情報をオンラインで探している。女性は男性に比べて、ヘルスケアに関するデジタルツールを使用する確率が75%高い。
  • ヘルスケア領域のプロフェッショナルの80%が女性である。その多くは看護師であり、その4割以下が経営層または管理職に就いている。

フェムテックは、世界中の女性に対してアクセスしやすく、かつ手頃な料金のヘルスケアを提供している。避妊アプリから避妊薬のオンラインデリバリーなど、保険会社が彼女たちのニーズを満たしていないときに、テクノロジーの出番となる。

月経トラッキングアプリのClue やGlow、月経ケアのFlex やCoraなど既に無数のスタートアップがこの領域には存在する。そして、大企業の注目もようやく高まりつつある。

リプロダクティブヘルスに関しては、ターゲットユーザーは女性だけでなくパートナーにまで広がりつつある。実に、アメリカでは女性の10%(610万人)が妊娠、または妊娠状態を維持することに困難を抱えており、カップルがUnivfyのような不妊治療スタートアップが提供するようなテクノロジーによるサポートに頼る例が増えている。

フェムテックは成長中だが、その成長スピードやその内実に関してはまだ注視が必要だろう。とはいえ、500億ドルの市場ポテンシャルが軽視できないものであるのは間違いない。

(本記事は抄訳になります。)

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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