障害者が使いやすいアプリやゲーム開発へ、テック業界で広がるアクセシビリティへの取り組み

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上: 車椅子対応という項目を検索機能に追加したGoogleマップ
Image Credit: Paul Sawers / VentureBeat

米国国勢調査のデータによると、米国市民の2割近くは何かしらの障害を抱えており、そのうちの半数以上が「深刻な」障害があることを報告しているという。これは、英国など他国の状況ともほぼ同じ割合だ。

こうした背景もあって、テック企業はさまざまな障害を持つ人々向けにサービスをアクセシブルなものにすべく尽力している。

今月15日、Airbnbはそのプラットフォームをアップデートし、21のアクセシビリティフィルターを新たに追加した。障害を持つユーザーが、特定の検索フィルターを使って滞在先を見つけやすくすることを目指したものだ。

それ以前も、旅行者は「車椅子対応」といった検索をすることが可能だったが、今回の変更に伴って、障害者用駐車場があるか、部屋まで階段がないか、などといった、さらに多くのファクターが追加され、検索をより絞り込むことができるようになる。

今回のニュースの数ヶ月前、Airbnbはアクセシビリティを重視した滞在先を検索するプラットフォームを開発するロンドン拠点のスタートアップ Accomable を買収したばかりだった。

15日、GoogleもまたGoogleマップのナビゲーション検索機能に「車椅子でのアクセスが可能」という項目を追加したことを発表した。設定でこの機能をオンにすれば、たとえば駅のアクセシビリティを考慮した結果のルートをマップが表示してくれるようになる。

この機能は、現時点ではニューヨーク、ロンドン、メキシコシティ、ボストン、シドニーで利用可能であり、将来的により多くのの都市で展開する予定だ。

アイトラッキング技術

先日、QualcommがTobiiのアイトラッキング技術をSnapdragon 8545 VR ヘッドセットで提供するというニュースを報じたばかりだ。Tobiiはスウェーデン企業で、初心者向けにさまざまな領域で精密なアイトラッキング技術を提供している。

上:Tobiiのアイトラッキングヘッドセット

ゲームはTobiiの主軸の領域で、さまざまなカメラと赤外線を使ってユーザーがスクリーンのどこを見ているかを精密に判断するPC周辺機器を販売している。今では100以上のゲームがTobiiの技術をサポートしている。

この技術は、従来のコントローラーに頼るものではないため、障害をもつ人でもゲームをしやすくなる。

英国の慈善団体 SpecialEffect は、障害を持つ人がゲームをできるように支援をしているが、昨年100万ドルのドネーションを集めた。昨年12月の取材時には、SpecialEffect のプロジェクトマネージャー Bill Donegan氏は、障害のある人も積極的にゲームに参加できるようになるという点でTobiiのアイトラッキング技術のポテンシャルは大きいを述べている。

開発者たちは、既にVRエクスペリエンスをよりアクセシブルなものにできるように取り組んでおり、Tobiiのアイトラッキング機能が多数のVRヘッドセットに組み込まれるようになれば、障害を持つ多くの人々にとっての影響は大きなものになる可能性がある。

Appleもまた、ドイツのアイトラッキング企業 SensoMotoricを昨年買収しており、この領域は今後も注視する価値があるだろう。

(本記事は抄訳になります。)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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