人工知能で着用アイテムを自動解析して購買へつなげるーーファッション自動解析のニューロープが資金調達

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ニューロープ代表取締役の酒井聡氏

ファッション関連データと画像解析技術を手がけるニューロープは3月5日、第三者割当増資の実施を公表した。引受先となったのはReality Accelerator、大和企業投資、都築国際育英財団で、調達した金額は5000万円。主に開発人材の強化を進める。

ニューロープが提供するファッションの自動解析技術は、人物が着用しているアウターやパンツ、帽子などファッションアイテム毎に形状を画像認識し、それらに対応したテキストタグを付与するもの。ファッションスナップを自動解析する「ファッションおじさん」やコーディネートを提案する「人工知能ショップ店員のMika」といったサービス名でのAPI提供も実施している。

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ニューロープはサイバーエージェントが開催した2013年の新規事業企画「アントレプレナー・イノベーションキャンプ」で優勝したことをきっかけに2014年創業。サイバーエージェントから1000万円の出資を受けてファッション関連のキュレーションメディア「CUBKI(カブキ)」を展開していた。しかしこの事業は同様のサイトが乱立したこともあり、翌年末にはファッション特化の画像解析・ビッグデータ事業へ転換した。2017年6月には人材事業を手がけるディップが主催する「AI Accelerator」に採択されている。

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創業事業のファッションキュレーションサイト

ニューロープの提供するファッション自動解析技術の強みは、自社で蓄積したファッション関連のビッグデータにあるという。同社代表取締役の酒井聡氏によれば、キュレーションメディアCUBKIで独自に蓄積したファッションスナップに紐づくメタデータ(アイテムに対するタグ付け)はおよそ10万点に及ぶそうで、これらは全て手作業で同社管理の元で作成したものであり、これが同社の提供する解析結果に大きく影響を与えているという話だった。

この解析エンジンを使えば、アパレル企業が持っている大量のファッションスナップを画像解析してアイテム毎の形状を認識できるだけでなく、テキストタグによる分類や同様のアイテムのレコメンドなどを全て自動化することができるので、例えば自社で運用するブログのようなメディアもEC化したり、コンテンツを拡張することができるようになる。

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導入事例のモバオク!では記事コンテンツから画像解析、アイテムの紐付けを自動化

現在、ニューロープではこういったアパレル企業を中心に自社で保有するファッション画像の有効活用を求めて同社に引き合いがあり、こういった要望についてはAPI経由でエンジンの提供を実施しているそうだ。なお、課金の形態は一般的なAPIリクエストに応じた従量制となっている。

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