暗号通貨「Amazonトークン」が世界的な通貨になる日ーーその可能性の考察

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Photo credit: Callistta on Visualhunt / CC BY

<ピックアップ:Op Ed: Could an Amazon Token Become a Viable Worldwide Cryptocurrency?>

ビットコインに代表される暗号通貨を取引したことがある、という方が昨年末あたりから急激に増えているのは感じていましたが、図らずも発生したコインチェック社の流出事件でその具体的なボリューム感が明らかになってきました。

拡大待ったなしの一方、投機的な興味ばかり先行して具体的な使い道については曖昧です。私も以前、ビッグカメラでビットコイン決済を使ってみたことがあるのですが、購入前後でレートが変動(値上がり)したため、手にしたホットプレートが実質タダで手に入るというロシアンルーレットな体験をしております。

まあ、この富士急ハイランド級のボラティリティは今だけのお楽しみとして、さて実際にこれが私たちの実生活に入ってきた際、どのような変化を与えてくれるのでしょうか?

ひとつ、具体的な考察記事がありましたので、そちらと合わせてご紹介したいと思います。

BITCOIN MAGAZINEに寄稿されたこちらの記事では、具体的にAmazonがトークンを発行したとして、どのように使われて、どこまで範囲が及ぶのかについて検証しているのですが、やはり相当に期待が持てる内容だなと思うわけです。

Amazonの暗号通貨、トークンについては以前から噂がありました。そもそも2013年にゲームなどのコンテンツ購入ができる「Amazonコイン」が販売されていますし、また、昨年末にはビットコイン関連のドメインを取得したことが明らかになっています。記事にもあるとおりこちらはまあ、いわゆるブランド保護のアクションと思われますが。

さておきまずその範囲です。記事の引用ですが、Amazonは100カ国で事業展開しており、米国ではオンラインで買い物をする人の実に55%がこのサイトを利用、有料会員のPrimeは8000万人に到達しているそうです。有料会員が1億人近くいるってどこの国ですか。

買えるものも一般消費財はもちろん、ハードから車、食料品にビデオや音楽のようなデジタルコンテンツまで網羅しており、本を売ってた頃のサイトの影も形もありません。さらにマーケットプレースに登録する事業者向け短期融資のような金融サービスもありますし、医療関連についても進出の話があります。おまけにAlexaという購入のアシスタントまで付いてきます。

つまり、これだけの「面」に対してありとあらゆる「モノ」や「サービス」を取引するだけの流通=金融トラフィックが期待できるわけです。記事中に言及のある調査では1000人のAmazonユーザーにもしトークンのようなものがあれば使うかというヒアリングをしたところ、52%が利用したいと回答したそうです。

私も使いたい。ていうか欲しい。

そして何よりも魅力なのはやはり、トレードでしょう。トークンがポイントや前述のコイン(プリペイド)と大きく異なるのは、セカンダリマーケットにて取引できる可能性があることです。また、Amazonトークンの価値はPrimeで提供されるような「サービス」と紐づくことが予想されます。

新サービスが発表されると価値が相対的に上がる、というのは現在の暗号通貨市場でも起きてますから、もっと分かりやすいことになるかもしれません。また、楽天もコインについて構想を発表しているので、Amazonと楽天でトークンの交換取引のようなことも考えられます。この辺りはポイント交換でマイル貯めたら楽天で買い物ができた、的な世界観と同じですね。

記事ではそれ以外、暗号通貨特有のユーティリティとしての機能がトークンに実装される(機能性のある貨幣みたいなイメージ)についても言及されています。トークンを保有している人たちに一定期間保有してくれた場合、金利のような「Airdrop」を提供する仕組みもこれなら可能です。

勝手に妄想してますます欲しくなりました。

考察は結構長いので、興味ある方はぜひご一読を。後半のユースケースは米国在住のAmazonトークン保有者が日本に旅してきた時のシーンを描いてますが、まさに世界通貨の世界観です。非常に現実的で興味深い内容になってます。

ということでメルカリ(メルペイ)と楽天コインの国産組にも大いに期待しております。

via BITCOINMAGAZINE

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