来客を可視化する無人受付「RECEPTIONIST」が1.2億円調達、使い勝手向上のスマホ対応も

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ディライテッド代表取締役の橋本真里子さん

iPadの無人受付システム「RECEPTIONIST」を提供するディライテッドは3月7日、第三者割当増資による資金調達を公表した。調達した資金は1億2000万円で、引受先となったのは大和企業投資、ツネイシキャピタルパートナーズ、その他非公開の投資事業組合の合計3社。リードは大和企業投資が務め、投資ラウンドはシリーズAとなる。払込日や各社の投資比率等は非公開。

RECEPTIONISTは内線電話中心だった企業の来客受付を、iPadアプリとSlackやfacebookなどの既存チャットツールで代替する受付のクラウドサービス。訪問客がiPadアプリで訪問先を選択すると、その担当者のチャットツールに直接訪問のお知らせが届く仕組みになっている。また、訪問した客の名前や会社名(入力させた場合のみ)といった訪問客の情報や訪問回数を時間帯や担当者別に計測する管理機能も提供されている。

同社は現在、約20名体制でサービス開発・導入を進めており、今回の調達でさらに人員の強化を進める。

使い勝手の向上にスマホ対応も

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RECEPTIONISTの管理画面では訪問客数が可視化される

2017年3月に1万回の受付回数を公表して以降、この無人受付アプリは順調に導入企業数を伸ばしているようだ。3月時点での導入企業総受付回数は21万回に到達しており、ディライテッド代表取締役の橋本真里子さんに話を聞くと500名規模の企業での導入事例も出てきているということだった。

また、現在スマホ対応した新サービスの準備も進めている。RECEPTIONISTを使った人であればわかると思うが、訪問先で担当者の名前をiPadで入力したり、自分の名前や社名まで入れる場合はやはり手間に感じてしまう。(手書きはもっと面倒だが)現在開発中のスマホアプリはこういった使い勝手の悪さを解消するものになる、という話だったが、残念ながら詳細はまだ公開できないということだった。

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各社で受付表示をカスタマイズして「顔」を作っている

私も取材先でこの無人受付アプリに出会うことが多くなった。利用事例についても、例えば開発ルームに音のなる内線電話を置きたくない、席移動などフロアの移動が多いので引き回しの面倒な内線を使いたくないといった、どちらかというと動きの激しい、特にネット系の企業にありがちな悩みを解消しているようだ。

一方で導入しない事例についても確認したが、逆に音がなる方がいい、内線イコール電話といった固定概念の強い「電話族」が多い現場ではなかなかこういう新しいツールの受け入れは難しいらしい。

ちなみに余談だが、私の周囲でも電話(もしもしはいはいのアレ)に対する考え方が随分変わったように思う。突然相手の時間を奪ってコミュニケーションする「無粋な」方法と取る人が多くなる一方で、やはり重要な用件、特にトラブルについては声で説明した方がよい、とする向きもある。これだけツールが増えると、古い言葉だがTPOがより求められる時代になった、ということなのかもしれない。

また、徐々に各社に蓄積されている訪問客データについてもその活用を色々検討している様子だった。これらはまた開発が進んだ時点で順次公開していくという話だ。

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