サイバーセキュリティクラウドが「攻撃遮断くん」を海外展開、フューチャースピリッツと業務提携で東南アジア3カ国に進出

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写真左よりサイバーセキュリティクラウド代表取締役の大野暉氏、フューチャースピリッツ代表取締役の谷孝大氏

クラウド型WAFのセキュリティサービス「攻撃遮断くん」を提供するサイバーセキュリティクラウドは3月26日、同サービスの海外展開を実施することを発表した。マレーシア、タイ、ベトナムの3カ国での展開を予定しており、英語名「shadankun」としてローンチされる。

同社は今回の海外展開にあたり、ITインフラ事業フューチャースピリッツと業務提携を締結。サイバーセキュリティクラウドが提供する「攻撃遮断くん」をフューチャースピリッツの海外子会社を通じて販売する。フューチャースピリッツの提供する専用サーバーやVPSとのセットで販売を進める方針だ。

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攻撃遮断くんのダッシュボード画面

2013年12月にリリースされた「攻撃遮断くん」は、Webアプリケーションの脆弱性を突いたサイバー攻撃からWebサイトを守るためのSaaS型セキュリティサービス。ファイアウォールやIPS、IDSといった防御システムでは対応できない不正侵入を検知および遮断し、悪意のあるユーザーからサイトの改ざんを防止する。なお、日本国内では、NTT ドコモやANA、SBI 証券などの顧客を獲得し、2017年9月時点で累計4000サイト以上に導入されている。

同社代表取締役の大野暉氏に現在のサイバー攻撃の動向について聞いたところ、アプリケーションへの攻撃はランダムな攻撃が増えており、たとえばタイロケーションのサーバー上で運用したフューチャースピリッツタイランドのコーポレートサイトでは2018年2月だけで1121回もの攻撃が検知されたということだ。

こういった攻撃を防ぐためには、事前のサーバー管理やセキュアなコーディングが重要と同氏は話す。しかし、フューチャースピリッツ代表取締役の谷孝大氏によれば、現状は東南アジアの日系企業内にIT専門の担当者がいないことも多く、問題が起きてから相談されるケースの方が多いということだった。

今回、両社は海外展開への進め方に関して「現地の日系企業を軸に展開し、事例を作りつつ現地法人へと広げていく」と話している。日系企業が日本の本社とセキュリティレベルを合わせる必要性などにリーチし、攻撃を受ける前からの導入も推進していく意向だ。攻撃遮断くんの提供でセキュリティの技術的ソリューションを提案しつつ、フューチャースピリッツがインフラ整備をコンサルティングしていく動きも検討。導入目標としては2年以内には日系企業約4800社のうち、500社への導入を掲げている。

2010年8月にアミティエとして設立されたサイバーセキュリティクラウド。2016年1月にはAMBITION、レジェンド・パートナーズ、イプシロン・グループ、リアルワールド、SBI インベストメントなどから約1億円を調達している。2017年12月にはAI の活用により、Amazon Web Services(AWS)ユーザ向けに WAF のシグネチャー設定を自動適用するサービス「WafCharm」をローンチした

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