スマホで開け閉めできる受渡しIoTロッカー「SPACER(スペースアール)」、TSUTAYAの都内5店舗で実証実験を開始

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SPACER
Image credit: SPACER

スマホで開け閉めできる受渡し IoT ロッカー「SPACER(スペースアール)」を開発する SPACER は2日、同ロッカーを使用したサービス開始を発表した。同社は昨年7月に同ロッカーのプロトタイプを完成させていたが、そこから約半年をかけてマーケティングを行い、今年2月に製品を完成させた。

同社は昨年行われた CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)のベンチャー協業プログラム「T-VENTURE PROGRAM」の第4期に参加しており、12月のデモデイでは優秀賞を受賞している。この参加が契機となり、SPACER は CCC 傘下の TSUTAYA 都内5店舗で実証実験を開始した。SPACER が設置されるのは、SHIBUYA TSUTAYA、TSUTAYA BOOK APARTMENT(新宿)、TSUTAYA 赤坂店、TSUTAYA 祖師谷大蔵店、TSUTAYA 新大久保店。3月から5月までを実証実験期間とし、さまざまなモニタリングを行いながら、E コマースなどの直接受渡し取引等の実証実験を行う。

SPACER を使うには、iOS アプリ「SPACER」のダウンロードが必要。SPACER の設置された TSUTAYA 店舗でアプリを立ち上げると自動的にロッカーを認識する。荷物は無料で2時間まで預けられ、6時間毎に240円で利用できるほか、スマートフォンを鍵として荷物の受け渡しも可能になる。

SPACER のロッカーとアプリ
Image credit: SPACER

この分野では、日本郵便の「はこぽす」が E コマース各社と提携し荷物受取を実現しているほか、Packcity Japan(ネオポストシッピングとヤマト運輸の JV)の「PUDO ステーション」が公共施設を中心に、複数のロジスティクスプロバイダーが乗り入れられるオープン型ロッカーを設置。人手不足の問題が深刻化する物流業界において、業務の負担増の要因となる再配達の抑制を試みている。

SPACER の場合、スマートロックのようにスマートフォンでロッカーの鍵を制御できるのが強みであり、ユーザや利用特性など情報を取得し、新しいビジネスを創出することも可能だろう。

SPACER は2016年、IQ 160 の頭脳を持ち日本メンサの会員でもある田中章仁氏(現 CEO)らにより設立。Suica などを使ったインテリジェントなコインロッカーが高額であるのと対照的に、SPACER ではスマートフォンを使った鍵制御により安価なコインロッカーシステムを開発することに成功した。昨年には、シェアリングサービス「monooQ(モノオク)」との協業サービスを実施した。

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