WeChat Pay(微信支付)、中国国内で収めた成功を国外でも——カギを握るのは、グローバルなソーシャルインタラクションの力

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地元の市場で WeChat Pay (微信支付)を使う女性
Image credit: TechNode / Shi Jiayi

筆頭ライバルである Alipay(支付宝)に比べると比較的遅参者としてスタートしたものの、WeChat Pay(微信支付)は2013年のローンチ以降急激な成長を遂げてきた。同サービスが中国で目覚ましい成功を収めた主たる理由は、WeChat Pay が、決まってユーザの使用頻度の高いソーシャルネットワーキングおよびインスタントメッセージツールである WeChat の拡張機能だということだ。中国人の国外旅行者からモバイル決済への需要がますます増大する中、ソーシャルネットワーキング特有の力を十分にわきまえ、WeChat Pay はそれを秘訣として国外市場の開発を期待している。

モバイル決済が中国人の国外旅行者からますます歓迎される中、国内での WeChat のライフスタイルを国外でも倍増させるため、WeChat Pay は国境を越えたビジネスに絶えず投資していく計画です。

WeChat Pay 国際業務ディレクターを務める Grace Yin(殷潔)氏は、本日(3月1日)Nielsen から発表された最新のホワイトペーパーの中で、こうコメントした。このホワイトペーパーによれば、90%以上の中国人旅行客は国外でモバイル決済というオプションがあれば、そちらを選択するだろうという。

国外の大半の店舗に欠けているのは、決済ツールではないと WeChat Pay は言う。同社によれば、既成の支払方式(クレジットカード)があれば支払い自体は十分だとのことである。

各地方の店舗が本当に必要としているのはソーシャルインタラクションです。後からでも買い物客への商品の宣伝や連絡を可能にするような、買い物客と持続的につながることのできるコミュニケーションチャネルです。

決済ツールとして利用されるだけでなく、WeChat Pay はその8億人のユーザと海外の店舗とを結ぶ持続的な絆を作りたい考えである。このサービスでは、中国人旅行客は人民元で支払うことができ、店舗側は代金を現地通貨で受け取る。店を去った後も、買い物客は WeChat を通して宣伝やアフターサービスを受けることができる。

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25の国と地域で13種類の通貨を用いた取引を扱うことのできる WeChat Pay は、中国人の国外旅行者へのサービス提供を通して、国外の店舗との提携を増やしてきた。

韓国での中国人旅行者のモバイルデータ通信量の70%超がWeChat 使用によるものでした。

WeChat Payは、自社の韓国パートナーがこう述べたと伝えた。

モバイル決済が中国で急速に優勢となる中、中国人はライフスタイルの急激な変化を経験している。2017年の「中国におけるモバイル支払い使用報告」によれば、74%の中国人は、現金は100人民元(約1,700円)あれば1ヶ月以上生活できるとし、84%の中国人は現金が全くない生活でも受け入れられると述べた。

この超人気アプリ WeChat は、よりスマートなライフスタイルへの中国の移行に拍車を掛けている。WeChat hongbao(紅包)は、祝い事の際に現金を贈与する中国の伝統に変化をもたらしており、また同アプリが親会社 Tencent(騰訊)の出資する配車アプリ「DiDi Chuxing(滴滴出行)」と連携したことにより、中国では人々の通勤の仕方に大変革が起こった。これまで WeChat での支払いを促進する原動力であり続けてきたソーシャルインタラクションは、WeChat Pay の海外進出とともにグローバル化している。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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