オンライン中古車販売のCarvana、Mark Cuban氏が支援する自動車販売向け画像技術プラットフォーム「Car360」を2,200万米ドルで買収

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自動車巨大自販機で知られる、大型オンライン中古車販売の Carvana は、Mark Cuban 氏が支援するスタートアップ Car360 を買収したことを明らかにした。Car360 は、販売者が自動車を披露するのに便利な、画像認識とインタラクティブの360度画像技術を提供している。

アメリカ証券取引委員会への届出によれば、Carvana は670万米ドルを現金で支払い、過去2ヶ月間の平均取引価格に基づいて総額1,520万米ドルの株式を発行した。合算すると、買収価格の総額は約2,200万米ドルに上る。届出によれば、買収は2018年4月12日に完了している。

フェニックスを拠点として2013年に設立された Carvana は、オンライン自動車売買プラットフォームを提供している。同社はアメリカ全土でバイヤーに自動車を届けており、顧客がオンラインで購入した車を収集できる初の中古車自動販売機をアトランタにオープンした2013年にはヘッドラインを賑わせた。それ以来、同社は同様の施設をアメリカ全土で多数オープンしている。

ナッシュビルの自動車自販機

3億米ドルに上る投資家からの資金を得て、Carvana は昨年ニューヨーク証取(NYSE)に上場し、現在は IPO 時の15米ドルの約2倍の株価で取引されている。

Mark Cuban 氏の支援

Car360 はもともと、2012年にアトランタで Cycloramic というパノラマビデオアプリとして設立され、Shark Tank(編注:アメリカ版「マネーの虎」)に出場後、Mark Cuban 氏の関心を惹き出資を受けた。同社は2015年にピボットして拡張現実を使った自動車の画像技術に特化した Car360 となり、BIP Capital や Cuban 氏の Radical Investments などの支援者から約400万米ドルを調達している。

簡単に言えば、Car360 の技術はあらゆるモバイルデバイスを使って、没入感のあるインタラクティブな自動車の画像撮影を容易にし、自動車の販売マーケティングのために車両の内部と外部の 3D モデルを構築するというものだ。

情報公開されている範囲において、Car360 は Carvana にとって、昨年8月に実施した自動車マーケットプレイス「Carlypso」に続く2件目の買収となる。

Carvana は車両のマーケティングに、既に屋内用360度写真システムを使用しているが、Car360 を買収したことでそのコンセプトを誰もが使えるモバイルデバイスに転じ、よりインタラクティブで没入感のある体験を提供することになるだろう。

Carvana の創業者で CEO の Ernie Garcia 氏は、次のように述べている。

Carvana と Car360 は共に、顧客が人生で最大級の買い物をする上で透明性と確信を持って決断できるよう、素晴らしい技術を届けられる力を持っていると確信しています。

Car360 のチームを得たことにより、画像認識、AR、アプリによる写真撮影の分野で、我々にはさらに起業家としての強みが加わりました。この技術は、人々が車を買う方法を変えるという我々のミッションを進める上で、数多くのエキサイティングな力を発揮することになるでしょう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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