YJキャピタルとEast Venturesのアクセラレータ「Code Republic」、第4期デモデイを開催——通算輩出の16社中、5社が次ラウンド調達に成功

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YJ キャピタルと East Ventures が共同で運用するスタートアップアクセラレータ「Code Republic(コードリパブリック)」は5日、第4期のデモデイを開催し6チームが登壇した。第4期を含め通算でプログラムから輩出されたスタートアップは16チームに達し、このうち次ラウンドであるプレシリーズ A での資金調達に成功したスタートアップは5チームいることが明らかになった。

2016年4月に開始された Code Republic では3ヶ月間のプログラム期間中、参加した起業家に対して著名起業家とのディナーミーティング、メンタリング、ヤフーオフィス内のコワーキングスペース「LODGE」でオフィス環境を提供。また、Code Republic は、当該スタートアップの株式7%取得に対し、700万円を出資する(資金調達後評価額1億円)。

第4期デモデイでピッチ登壇した6チームを紹介したい(なお、未サービスインやプロトタイプ未完成のチームもいるため、Web サイトやアプリへのリンクが無いチームもある)。

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HobbySnap by RICOFUL

RICOFUL は、カスタムプラモデル&フィギュアの SNS「HobbySnap」を開発。カスタムプラモデルやカスタムフィギュアとは、市販のプラモデルやフィギュアに、意図的に傷をつけたり、独特な塗装を施したりして、ユニークな出来映えを楽しむサブカルチャーのこと。一方、カスタムプラモデル&フィギュアのファンが互いの作品を披露しあうには、既存の SNS ではいくつかの問題点があるという。

HobbySnap では、投稿したカスタムプラモデル&フィギュアの写真でパーツ毎にタグをつけられる機能をつけ、どの部分が他ユーザから評価されているかをわかりやすくしたり、カテゴリやキャラクタ毎の絞込検索機能をつけ、参考にしたい作品を見つけやすくしたり、また、投稿時に基本情報を入力して登録してもらうことで、作者が自身の作品のポートフォリオを管理しやすくした。広告、販売、プライベートブランドなどの導入でマネタイズを計画している。

PASSTA by Gemini Tech

Gemini Tech は、ヨガ、ネイルサロン、エステ、フィットネスなど、複数の美容施設に安価に通いたいという女性の希望をかなえる定額ビューティーパスポート「PASSTA」を開発。これらの美容施設には定期的に費用を支払い続ける必要があるため、複数の美容施設に通い続けるのは負担が大きいが、同社の調査(サンプル数350人)によると、85.0%の女性が通いたいという希望を示したという。

PASSTA では、月3回で6,000円から(回数毎に金額が異なる)のパスポートを女性に購入してもらう。一方で、Gemini Tech は、大手チェーンと異なり多額のマーケティングコストを確保できない中小の美容施設に PASSTA のユーザを送客することで、送客一回毎に美容施設から1,000円の料金を受け取る。現時点で美容施設20店舗で利用でき、来月末の iOS アプリリリース時点で100店舗の契約を目指す。同種のサービスとしては、アメリカの ClassPass やアジアの KFit などがある。

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Fabulous! by Factory

Factory は、ユーザが好きなものを自由に集められる SNS「Fabulous!」を開発。アニメ、漫画、本、CD などの気に入ったタイトルをリスト化することで、尊敬している起業家がどういう本を読んでいるか、セレブリティがどのようなコンテンツを見ているか、などを閲覧することができる。

数々の用途別 SNS が存在する中で、特に本や CD などの文化領域にフォーカスした SNS が国内に無い一方で、海外で同種の SNS アプリが散見されることから市場に需要があると仮定。ユーザの趣味や嗜好を捉えたインタレストマップを生成できるため、それらをもとにターゲティングされた広告が出稿できるのがメリットだという。将来は、人工知能の導入や、人々の生活を仮想空間に取り込むことなども目指すという。

mymerit by my merit

スマートフォンの写真ロールから、必要な写真をなかなか探し出せないというシーンは、誰しもが経験したことがあるだろう。my merit の「mymerit」は、一緒に撮影した友人や撮影シーンをタグ付けすることで、写真の整理と共有を買おうにするアプリだ。タグ付けすることで、友人のアプリ上にも写真が同期され、そのイベントで撮影された写真については友人間で自由に閲覧が可能になる。

LINE アルバムなどとは、タグ付けの手軽さや、写真を見るときに特定のチャットルームに行く手間が省けるユーザエクスペリエンスで差別化しているとのこと。サービスはフリーミアムで提供され、有料プランで動画や高画質保存、オンデマンドで写真をプリントアウト配送するサービスを検討している。5月中旬にサービスが正式リリースされる予定。

Qryppo by Skrum

Skrum の Qryppo(クリッポ)は、20〜30代前半の男女をターゲットにしたライブクイズアプリだ。誰かとつながりたいが、互いに気は使いたくないというライトなコミュニケーションを望む人々に、毎日 Qryppo の MC が15分間ほどのクイズ番組をライブ配信。ユーザはこれに参加し、全問正解することで賞金が得られるサービスだ。

ライブ配信アプリが数多く生まれる中で、ライブ配信アプリを使ったことが無いユーザは9割程度いるのだという。彼らがライブ配信アプリを使わない理由として挙げられるのは、面白いコンテンツが少ない、コンテンツの質が担保されていないなど、また、プラットフォーマー側にはユーザをエンゲージし続けることの困難を伴う。

将来、Qryppo ではライブ配信できるユーザを審査制にすることでコンテンツの質を担保、ゲーム性のあるコミュニケーションでユーザの満足度を高めたいとしている。動画広告やスポンサー収入でのマネタイズ計画している。ライブクイズアプリの分野では、「17 Live」を展開する 17 Media Japan が「17Q」を、「Live Shop!」を運営する Candee が「LIVE QUIZ」を、また、2月にはスタートアップの PeraPera が「MyQトリビア」をローンチしている。

Osushi by Wanta

Wanta は、投稿したブログなどに読者から投げ銭してもらえるサービス「Osushi」を提供。1月から事前登録を開始し7,500人のユーザ登録を獲得したが、法律抵触の可能性やセキュリティ問題を背景に炎上、2月1日にサービスから7時間でサービス停止を余儀なくされた。

投げ銭できる対象を現金から商品にし、セキュリティ対応を実装したほか、サービス内容について金融庁との協議を行ったことで、3月にサービス復活に漕ぎ着けた。バーチャル YouTuber など投げ銭のニーズのあるシーンが増える中で、プラットフォーム横断で使える Osushi には優位性があるという。サービスが再開された3月からで、4万人のユーザ登録があったという。


Code Republic は、プログラム期間と関係なく常時採択化しており、4月いっぱいは5月にプログラムに加わるチームを募集している

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