シンガポールDBS銀行のフィンテックアクセラレータ、グローバルスタートアップ6社とともに香港で再びキックオフ

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Image Credit: DBS Accelerator

DBS フィンテックアクセラレータプログラムは9日、2018年第2期の Day 1 を香港でキックオフした。

このプログラムは香港のベンチャーキャピタル集団 Nest がシンガポールに本店を置く銀行 DBS と協力して運営している。このたび、熱意あるスタートアップ6社が選ばれた。

プログラムはレイトステージのスタートアップをターゲットとしており、以下のスタートアップをバッチの最終候補リストに載せた:Cube、Cyber Productivity、Dov-E、Hyper Anna、Prive、Fractal Labs。

この6社は、銀行が事前に定めた事業機会に対する革新的なソリューションの発見を目指して12週間に及ぶプログラムを実施する。

スタートアップらは、メンターシップ、ネットワーキングの機会、リソースへのアクセスといったメリットの全てを日常的に享受できる。その他、資金調達や教育的な指導の分野で Nest や DBS がそれぞれ有する専門能力にもアクセスできるユニークな機会が与えられる。

これまでの多くのアクセラレータプログラムとは異なり、この Nest-DBS が運営するプログラムでは、DBS が現実の課題に対する革新的なソリューションを求めており、株式がエントリーの要件ではないという意味で、真のパートナーシップといえる。これまでに Nest のパートナーシップは DBS に対して著しい進展をみせてきた。このパイロットプログラムがローンチされたのは2015年。アクセラレータプログラムの実施に際し、VC 企業の専門能力を活用した。

DBS は当初、実験的なアプローチを採用したが、戦略計画および事業変革を率いる Matthew Ng 氏は次のように述べている。

2015年当時のアプローチはオープンなもので、今よりはフォーカスされておらず、何を学べるかについて知るための試運転でした。幸い、この取り組みは驚くべきことに文化面での進展がありました。社員は外部のノンバンク企業の運営方法を知ることができたからです。このプログラムは、当社の迅速な手法にも合っていました。次に、その実践が社員の精神面や文化的な慣行に拡大されたのです。

それ以降、このプログラムは Nest の指導の下でよりフォーカス、ターゲティングされるようになった。毎回のプログラムではまず、DBS 経営陣が事前に定める事業面の痛点である「問題の記述」から始められる。これは、銀行が革新的なソリューションを提供するのに必要だと認識した問題点である。次に、Nest のプログラムマネージャーは市場に出向くか、多くは過去の応用事例のデータベースにあたり、可能性のあるスタートアップ最大20社を最終候補としてリストアップし、それを DBS に提供する。するとこのリストはほんの一握りの数にまで集約される。このようにフォーカスされたアプローチを採用することにより概念実証の数が増えるため、銀行だけでなく参加しているスタートアップにもメリットが及ぶ。

このアクセラレータプログラムは、銀行にとっても価値あるブランディングの実践を可能とした。DBS は、Nest が行っている世界的な活動からも恩恵を受けている。Nestとの提携により、DBS は技術やイノベーションを取り入れる企業として知られるようになるという予想外の効果もあった。

同じく重要なこととして、Nest のおかげで DBS は世界中のスタートアップのレーダーにしっかりと入るようになったのだ。今回の6社だけでも、ほんの数例を挙げればシドニー、ロンドン、テルアビブ出身の設立者がおり、皆 AI やマシンラーニングという特定の分野で、科学に対してそれぞれわずかずつ異なる解釈をもって操業している。

一方で、Nest が果たしている役割はアクセラレータ以上である。Nest と DBS その他企業との提携は、「問題の記述」と、革新的なソリューションを提供する用意がてきていて提供の意思を持つスタートアップとを結び付ける「かけ橋」であることを意味している。

【via e27】 @E27co

【原文】

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