ONLabが第16期プログラムのデモデイを開催、医師向け症例共有プラットフォームの「Dr. Fellow」が最優秀賞を獲得

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2018.4.13

東京のスタートアップ・インキュベータ Open Network Lab は13日、Seed Accelerator Program 第16期のスタートアップを披露するデモデイを開催した。このバッチには、日本の内外から合計84チーム(うち17チームが海外)のエントリがあったが、中から6チームが選抜され3ヶ月間にわたってメンタリングや支援を受けることとなった。

なお、6チームのうち1チームについては公開されず、5チームがデモデイでピッチした。デモデイの最後には、主要メンターやデモデイに参加した聴衆らによる審査投票でチームを表彰した。

デモデイでは、以下の審査員4名による審査をもとにチームが表彰された。

  • 林郁氏(デジタルガレージ 代表取締役社長兼グループCEO)
  • 畑彰之介氏(カカクコム 代表取締役社長)
  • 村上敦浩氏(カカクコム 取締役)
  • レイ・イナモト氏(Inamoto & Co. 共同設立者 クリエイティブディレクター)

【Best Team Award】Dr.Fellow by フェロー

Dr. Fellow は、医師向けの症例共有プラットフォームだ。医師が症例を共有する方法としては、論文を読むか学会に出席して情報を共有することが一般的。しかし、医師は忙しく、これらの従来からある情報共有方法は効率的ではない。Dr. Fellow では医師のみによる実名制のコミュニティを作ることで、医師間でのより広範な症例の情報共有を可能にする。

例えば、年間脳卒中は20万症例あるにもかかわらず、関連論文は2,000件しか発表されていないそうだ(つまり、症例の1%しか論文化されない)。従来からある医師のオンラインコミュニティは医師間の Q&A を中心とした情報共有が主だが、症例を画像やテキスト情報でそのまま共有できることが Dr. Fellow のアドバンテージだという。

企業や学会への公式アカウント発行により定額課金、医師向けのインフィード広告により従量課金でマネタイズを図る。

【Audience Award】ReShape by Navier

技術者3名からなる Navier は、AI 画像編集サービス「ReShape」を開発している。手ブレ補正、露出補正、トリミングなどは画像編集ツールを使って対応することが多いが、そのためには専門的なスキルが求められたり、大変な手間や高いコストが必要だったりする。

ReShape は、Generative Adversarial Network(敵対的生成ネットワーク、GAN)を使うことで、高度な画像編集技術を誰にでも簡単に使えるようにするものだ。画像の修正ではなく AI が GAN で新しい画像を生成しているため、結果的にプロが修正するよりも高品質の画像ができあがるという。個人向けには1枚20円からサービスを提供、アマチュア写真家や小規模制作会社には月額料金での提供を想定。

また、当初はウェブやアプリを通じてサービスを提供しつつ技術をブラッシュアップし、将来的には事業者向けにクラウド API を通じてサービスを提供していく。GAN を使った動画の高品質化も視野に入れているそうだ。

Hale by LINK

LINK が開発する Hale は、願いを叶える介護をコンシェルジュサービスだ。要介護者は十分な預貯金を持っているにも関わらず、島に行きたい、3つ星レストランで食事したい、好きな歌手のコンサートに行きたい、などの付きっ切りの介護が必要なサービスを受けることができない。

Hale では、スタッフが要望の聞き取り、持病の確認、身体状況の確認を行い、福祉車両の手配や訪問先の施設情報の事前調査を実施。レストラン、ホテル、旅行業者などと連携し、サービスを実施する。Hale 専属の介護士によるサービスが利用できる定額課金と、案件ごとのオプション課金の2つの料金体系で提供される。

pickupon(ピクポン) by pickupon

開発者が苦労してソフトウェアを開発しても、平均してソフトウェアの機能の64%は使われていないという。このギャップは、ユーザの声をダイレクトにエンジニアに届けられず、ユーザの声を定量的に扱えていないからと考えた pickupon は、ユーザの発話を自動的に書き起こし、分析し、感情を記録できる SaaS サービスを開発した。

pickupon は一次情報をそのまま記録でき、複数名でシェアできるので、抜け漏れがなく正確な情報共有が可能。複数の発話を横断的に分析することで、その傾向や対策を検討することもできる。6時間まで無料でデータを保持できるフリーミアム形式でサービスを提供する。これまでに10社から事前登録をもらっているとのこと。

ShareTable by ShareTable

ShareTable は、小学生の子供を持つ共働き世帯のためのシッター紹介サービスだ。約70組の世帯にヒアリングしたところ、ほとんどが民間学童保育か、習い事か、厚労省のファミサポ民間シッターを選んでいた。しかし、これらのサービスには、立地が限られている、現地まで子供を送迎するのが大変などの難点がある。

ShareTable はこれらのすべてを解決するため、食を中心とした暮らし体験アフタースクールを提供する。平日は自宅近くの先生(シッター)の自宅で、また、休日や長期休暇時は外出先でサービスを受けることを想定。ShareTable は子供を預けたい世帯と、暮らし体験クラスを提供する個人や法人をつなぎ、マッチング手数料として20%を徴収する。


Open Network Lab を運営する DG インキュベーション取締役の猿川雅之氏によれば、今回の第16期の修了を受け、Open Network Lab は通算で91組のスタートアップを輩出したことになる。また、前回第15期までの輩出スタートアップの資金調達成功率は57.5% に達しているとのことだ。

第16期デモデイの開催とともに、第17期への応募受付が開始された。Open Network Lab は、3ヶ月間のバッチ参加中の活動資金として最大1,000万円を提供。Open Network Lab の日本内外3拠点(代官山・鎌倉・サンフランシスコ)の1年間の無料施設利用に加え、Open Network Lab の Seed Accelerators Program からこれまでに輩出されたスタートアップの経営者らによるメンタリングも提供する予定。第17期への申込締切は、5月21日の正午となっている。

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