米国の不完全雇用の人材マーケットプレイス「Wonolo」、シリーズBラウンドでSequoia Capitalなどから1,300万米ドルを調達

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Wonolo チーム
Image Credit: Wonolo

約520万人のアメリカ人が現在不完全な形で雇用されている。不完全雇用者とは、フルタイムの仕事を希望しているが、雇用主から週30時間未満の労働しか認められていない人々。この労働者セグメントとは別に、フルタイムで働いているが、副業をするのに柔軟な労働時間を提供してくれる企業を見つけられない人もいる。

オンライン人材マーケットプレイスの Wonolo は、仕事に関心を持つ労働者と企業をつなぐことで、このギャップを埋めようとしている。サンフランシスコ拠点の同スタートアップは本日(4月18日)、取締役となるパートナーの Jess Lee 氏とともに Sequoia Capital がリードするラウンドで1,300万米ドルを調達したと発表した。新規投資家 Base10 と既存投資家の PivotNorth と CrunchFund もこれに参加した。

Wonolo の始まりはコカ・コーラのファウンダーズ・プログラムであるが、このプログラムは現在は打ち切られている

Wonolo の共同設立者兼 COO の AJ Brustein 氏は VentureBeat への e メールで以下のように語ってくれた。

コカ・コーラが直面している問題を解決する見返りに、この会社は資本のほか、ブランド、パートナー、従業員、施設へのアクセスを提供してくれました。私たちはコカ・コーラの業務チームの仕事を観察し、共に働いていましたが、すぐに対応すべき仕事があるにも関わらず、会社としてはそのニーズを想定できていないことがわかりました。

2014年の終わり、このプロジェクトがコカ・コーラからスピンオフされて Wonolo になった。現在の従業員数は30人。

同スタートアップによると、コカ・コーラ、Papa Johns、ユニクロなど数千社と協業しており、Wonolo を通して仕事が値決めされている。料金は、場所や仕事の内容(例:配送、在庫管理、フルフィルメント)によって変化する。

Wonolo によると、10万人を超える労働者がこのプラットフォームで求職活動をしているという。ユーザの利用は無料だ。仕事に就きたい人は、その職に相応しい人物であることを証明するために、積極性がある、穏やかな性格、時間を守るといったソフトスキルをアピールしなくてはならない。

Brustein 氏はこのように語る。

当社では、プラットフォーム入会前に労働者の身元調査を実施しますので、リクエスター(企業)は、オンデマンドの仕事のために信頼のおける人を雇うことができます。リクエスターはそれに加え、ドラッグテストやスキルの証明など、追加的な審査を希望することもできます。

ギグエコノミーの台頭とともに、時給の仕事を簡単に見つけられるようになっているが、あらゆる場所にあてはまるわけではないと Brustein 氏は話している。

一般的に、大都市に住んでいなければ、Uber、Lyft、TaskRabbit などで荒稼ぎはできないでしょう。ある仕事や乗車業務をするための時間に投資したとしても、それに見合った稼ぎができる保証は何もありません。こうした企業は、ギグエコノミーの話題を振りまき、柔軟性のある仕事ができることを示す意味では素晴らしい役割を果たしていますが、多くの労働者は、こういったプラットフォームが提供してくれる仕事以上の確実なものを求めているのです。Wolono では、事前にどれだけの収入を得ることができるのか知ることが可能です。

これまでに Wolono は総額2,500万米ドルを調達している。今回調達した資金は、労働者コミュニティの拡大と新規市場への進出に活用される予定。

Brustein 氏は次のように述べている。

今回の資金を、当社の製品やコミュニティにとって意味のある別の業界の開拓にも活用していきます。当社は最前線の仕事に注力していますが、配送、在庫管理、フルフィルメントの労働モデルと同じものが介護、トラック配送、パラリーガルなどの業界でも応用できると考えています。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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