Amazon EchoとAlexaにもし「Q&A広告」が入ったらーースマートスピーカー新たなビジネスモデルの可能性とその怖さ

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Photo credit: Robert Couse-Baker on VisualHunt.com / CC BY

<ピックアップ:This could be the way Amazon makes more money with Alexa>

みなさんスマートスピーカー使ってますか?

昨年末から国内でも昨年末あたりから販売が始まって、こちらの国内ネット調査では認知率も7割「ああ、なんかアレでしょ、スピーカーに喋りかけるやつ」ぐらいには知られるようになっているようです。

私もGoogle Homeを使っていますが、毎朝の天気予報を聞いたり、ラジオや音楽をかけてもらったりとなんだかんだ使わない日がないようになってます。実感値としては「スゲー便利!」というより、日常に溶け込んでいて、なくても困らないけどあったらまあ使うわ、ぐらい。

一方でそのビジネスは相当の市場規模が見込まれております。

例えばこの分野で先行するAmazonについては、2016年後半にベゾス氏が「第四の収益の柱」に育てると宣言しており、まだ確定した公式数字はないものの、2017年第3四半期の決算レターで同氏が「customers have purchased tens of millions of Alexa-enabled devices(人工知能アシスタントAlexaが搭載されているデバイスは数千万台出荷されている)」と順調な成長をアピールしておりました。

ちなみに調査会社フォレスターなどの試算では2000〜2200万台ほどのAmazon Echoが2017年に出荷されたという調査結果がありますので、まあその辺りなのでしょう。

さておき、スマートスピーカー自体はある一定の市場を押さえることになるとして、そのビジネスはどのようなものが考えられるのでしょうか?これについてQuartzの記事にひとつ、面白い考察というか、Amazonに関する新技術の話題が載っていたのでそちらご紹介します。

「Alexa、この汚れ落とすのどうしたらいい?」

通常、Alexaはこの回答を持っていない。しかし、4月25日に披露された新たなデモでは、Alexaはその回答に興味がありそうな内容を含めて答えることができるようになるかもしれない、ということだった。

「Tide社製の汚れ落としはいかがでしょう」ーーこんな感じだ。(Quartzの記事より引用)

実際に披露された新機能の内容はこちらに詳細記載されているのでご興味ある方はご一読いただくとして、かいつまむと、Alexaにある「スキル」というアドオン機能を機械学習で探し当て、自動的に立ち上げるようにする、というものらしいです。

スキルは通常Alexaに自分で設定する必要があるのですが、数が莫大に増えているので検索が難しく、まあ、ざっくり言えばレコメンドしてくれるといったところでしょうか。(雑ですいません)

確かにこれができれば日々のQ&Aがビジネスチャンスに変化します。企業側はスキルを作ってAlexaのプラットフォームに登録し、ユーザーがそれを利用して自社の商品を購入してくれれば検索広告と同じ理屈になります。

ただ、同時に怖くもあります。

おそらく利用ユーザー側の情報(日々の買い物情報やプロフィールなど)を参照してそれに近い商品やサービスをレコメンドしてくることになるので、例えば冒頭の例で言えば、日本人にはTide社ではなく、国産のメーカーがおすすめされることになるでしょう。しかしそれが広告費を積み上げただけの粗悪メーカーだったらどうでしょう。

もちろんレビューなどの評価でその排除をするというのが回答になるんでしょうが、どういうロジックでスキル(この例で言えば、Tide社の製品情報を渡すという機能)を選び出すのかについては気になるところです。

大分思考が飛躍しましたが、これらはまだテストケースとして公表されたばかりのものですので、実際の生活に登場するのはまだ先の話です。ただ、スキルの検索とレコメンドは間違いなく実装されるでしょうから、出てこないことはないでしょう。

文字ベースの検索結果と異なり「声」という情報は一覧性がありません。選択させるというよりは「おすすめ」しやすいツールとも言えるので、これまでと違った頭で情報や検索結果と向き合う必要が出てきそうです。

via Quartz

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