登山者コミュニティ「YAMAP」、シリーズBラウンドで約12億円を調達——アウトドア小売最大手の石井スポーツと提携し、コミュニティ拡大へ

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2018.4.13

ヤマップ代表取締役の春山慶彦氏と、今回のラウンドに参加した投資家の皆さん
Image credit: Masaru Ikeda

福岡を拠点に、登山者向けのコミュニティ・プラットフォーム「YAMAP(ヤマップ)」を運営するヤマップは13日、都内で記者会見を開き、シリーズ B ラウンドで約12億円を調達したことを発表した。

このラウンドに参加したのは、以下14の企業またはファンド。

  • ICI 石井スポーツ
  • 九州広域復興支援ファンド(主幹事は、REVIC キャピタル)
  • FFG ベンチャービジネスパートナーズ(福岡銀行の投資部門)
  • 山口キャピタル(山口銀行の投資部門)
  • アイ・マーキュリーキャピタル
  • SMBC ベンチャーキャピタル
  • せとうち観光活性化ファンド(せとうち DMO)
  • 日本アジアグループ
  • SRL
  • 大分ベンチャーキャピタル(大分銀行の投資部門)
  • 佐銀キャピタル & コンサルティング(佐賀銀行の投資部門)
  • 広島ベンチャーキャピタル(広島銀行の投資部門)
  • 森永製菓
  • ゼロワンブースター

地銀系のファンドが多数含まれる背景には、YAMAP が地域観光の活性化に寄与したいとの意図が読み取れる。なお、各社・ファンド個別の出資額は非公表だが、14社の中ではアウトドア小売最大手の ICI 石井スポーツ(以下、石井スポーツと略す)からの出資額が最大であることが明らかにされた。

このラウンドは、ヤマップにとって、サムライインキュベートから500万円を調達したシードラウンド、コロプラ(東証:3668)、大和企業投資、ドーガンから1.7億円を調達したシリーズ A ラウンド(2016年3月)に続くものだ。今回の調達を受けて、ヤマップの通算調達金額は約14億円となる。

今回の資金調達や事業提携の意図について説明する、ヤマップの創業者で代表取締役の春山慶彦氏
Image credit: Masaru Ikeda

またヤマップは今回の調達とあわせて、今回の投資家の一社でもある、石井スポーツと提携したことを明らかにした。この提携を通じて両社は、YAMAP と石井スポーツの会員連携、YAMAP と石井スポーツ店舗(全国33店舗)の連携、両社共同でのイベント拡充などの施策を実施する。石井スポーツの今秋の E コマースプラットフォームのリニューアルに伴い、YAMAP との一部システム連携なども想定しているようだ。

ヤマップは登山愛好家の春山慶彦氏(現・代表取締役)が2013年に設立(設立当初の社名は SEFURI)。携帯電話の電波が届かない山においても、ユーザは位置衛星からの GPS 電波だけで現在地を知ることができる登山者向けの地図アプリ「YAMAP」を開発した。

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2014年には日本 IBM のインキュベーションプログラム「IBM BlueHub」の第1期に採択され、2015年には福岡で開催された B Dash Camp 2018 Spring のピッチアリーナで優勝している。

2015年7月には、アウトドア用品のレビューアプリ「YAMAP Gears(ヤマップ ギアーズ)」、独自保険商品、アウトドア特化型メディアの「.Hyakkei(ドット・ヒャッケイ)」を公開したほか、カメラやスマートフォン、スマートウォッチメーカーとの提携などにより、売上の多角化を図ってきた。

オリンパスのオープンプラットフォームカメラ「AIR A01」と YAMAP のユーザコミュニティがアウトドア向けのカメラアクセサリーを共同開発したのに加え、京セラのアウトドア向けスマートフォン「TORQUE」や、国内メーカーとしては初のスマートウォッチとなるカシオの「WSD−F10」に YAMAP アプリがプリインストールされた。

YAMAP のユーザ規模の参考となる数値は、最新のもので、アプリダウンロード数が82万件、月間アクセス数が1億PV弱(最新のユーザ数は開示されていない)。登山者人口860万人(日本生産性本部発行「レジャー白書2016」による)の1割弱が YAMAP を利用していると推測される。石井スポーツとの提携を通じて、ヤマップでは会員数100万人超を持つ石井スポーツの会員コミュニティとのシナジーを目指すとしている。

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