Firmoが独自プロトコルをローンチ、安全でブロックチェーンの種類を問わない金融契約が可能に

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Image Credit: Firmo

ブロックチェーン技術が業界の垣根を越えて拡大していくにつれ、分散型台帳とスマートコントラクトの新たな応用が毎日のように生まれている。今日もまた1つ登場した。

金融契約をブロックチェーンへ導くことに特化している Firmo は、本日(4月18日)、契約エンジンのローンチをもって仮想通貨のインフラを構築した。大きな安全性とセキュリティを備えた取引を提供する Firmo のプラットフォームは、スマートデリバティブや金融商品といった多くのブロックチェーンにはほぼ存在しないものの創造を可能にする。

設立者であり CEO でもある Omri Ross 博士はコペンハーゲン大学におけるブロックチェーン技術の助教であり、ケンブリッジ大学の金融数学の博士号を持っている。

本質的にはシンプルなアイデアである。Firmo はプロトコルレイヤーとして機能し、主なブロックチェーンのプラットフォーム、取引、そして Bancor のような流動性ネットワーク、つまり強制力のある自動金融契約を構築する能力を提供する。

Ross 氏は筆者にこう語った。

従来の市場で取引されていた多くのデリバティブを弊社はサポートします。これには様々な原先物オプションやデジタルアセットのスワップが含まれます。そういう商品をブロックチェーン上で扱うことで、それらの市場に非中央的なソリューションを提供できるという点が重要です。例えるならば、非中央的な CME グループや CBOE がブロックチェーン上にあると考えてみてください。

店頭(OTC)デリバティブは実体のある市場を作り上げる。ここ数ヶ月わずかに減少しているが、想定元本はまだ500兆米ドル以上と推測される

今日まで、ブロックチェーンには金融デリバティブをサポートできるほどの安全なインフラが欠けていた。デリバティブをサポートする仮想通貨経済が可能になることで、非中央的な先物市場契約や仮想通貨のスワップ、条件ベースのヘッジング、そして店頭デリバティブができるようになる。

Ross 氏は以下のように述べた。

最初の段階として、Ethereum プラットフォームでトークン化されるあらゆるアセットをサポートします。つまり、あらゆるものが ERC20トークンで表され得るのです。これによって、米ドルのような伝統的なアセットクラスを、Maker Dai やその他の安定的なコインを通じて表すことができるようになります。

本日(4月18日)の発表とともに、Firmo は仮想通貨資産のデリバティブや金融商品を作ることができるインフラを提供している。Firmo のプロトコル FirmoLang は Haskell で書かれており、Coq プルーフアシスタントによって正式に検証されている。これは高い安全基準を備えていることを示唆するものである。

では、同社の次の目標は?

Ross 氏はこのように述べた。

弊社のプラットフォームは直感的で、安全で、ブロックチェーンの種類を問いません。様々なブロックチェーンのためにコンパイラを作り、伝統的な市場で従来の機関がブロックチェーン上での安全な金融商品の扱いにアクセスできるよう提供を拡大していくつもりです。安全で直観的、そしてブロックチェーンの種類を問わないインフラが、ブロックチェーン業界の前進の鍵であると弊社は考えています。

 
Firmo は2017年にローンチされ、ジブラルタルに本社を構えている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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