オートバイ版配車アプリの「Go-Jek」、オリジナルコンテンツ制作でViceと提携——動画ストリーミング業界へ進出

by Tech in Asia Tech in Asia on 2018.5.11

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配車企業 Go-Jek が手持ちのカードにまた新たなものを加えようとしている。

同社の企業買収・開発部門シニア VP である Michy Gustavia 氏は昨日(4月26日)バドゥンで開催された Asia-Pacific Video Operators’ Summit において、独自の定額制動画ストリーミングプラットフォームをまもなくローンチすると明らかにした。

Go-Play と名付けられたこのサービスは、同社の新たな制作会社 Go-Studios が制作するオリジナルコンテンツが目玉となると Nikkei Asian Review は伝えた。現地の映像作家が Go-Play のために制作したドキュメンタリーやショートフィルム、長編作品が予定されており「95%はインドネシア人向け」のものになる予定だと Gustavia 氏は述べた。

最初の自社製プロジェクトの1つは配車部門で働く女性の経験を追ったドキュメンタリーであり、Gustavia 氏によればこの作品はいくつかの映画祭に出品済みだという。

さらに今回、Go-Jek はアメリカのメディア Vice と提携した。両社はインドネシア人映画監督 Joko Anwar 氏による来年リリース予定の映画を共同制作中であるとプレスリリースで述べられている。また、制作中のスポーツドキュメンタリーシリーズや他のプロジェクトのオリジナルコンテンツ制作でも協力していくという。

Go-Play は1日や1ヶ月、1年ごとから支払いオプションを選択できる定額制になると Gustavia 氏は述べた。

定額制への課題

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Photo credit: Go-Jek

Go-Jek はインドネシア人ユーザが日常の中で感じる欲求や必要性を叶える場所になろうとしているのは周知の事実だ。

同社はインドネシア地域の配車市場を支配しており、デジタル決済プラットフォーム Go-Pay はいまやほとんどどこででも見ることができる。数百万のユーザを他のオンデマンドサービスにつないでおり、マッサージや携帯電話のチャージから食品や医薬品の配達、イベントチケットの手配までそのサービス範囲は多岐にわたる。

直近では金融サービスにも進出しており、国営の Bank Negara Indonesia と提携して中小企業向けに小口融資を提供している

このように多方面にビジネスを展開しているため、Go-Jek が今回動画ストリーミングやコンテンツ制作に進出することにもそれほどの驚きはない。

GlobalData のアナリスト Malcolm Rogers 氏によると、この地域のオーバーザトップ(OTT)動画プロバイダはますます独自のコンテンツを制作するようになってきているという。

同氏は次のように説明した。

スポーツ中継の放映権のような独占的なコンテンツは、熱心な視聴者を確保できますが高コストです。コンテンツ制作に乗り出すことは、大手スタジオからコンテンツを購入するのに比べて、よりきめ細かくターゲット層にコンテンツを合わせることが可能で、コストをコントロールしやすくすることもできます。

しかし Go-Jek の定額モデルは、ユーザに登録してもらうという点で困難に直面するかもしれない。

マレーシアを拠点とするコンテンツストリーミングポータルの Iflix は最近、広告を収益源とする無料サービスを始めた。Iflix の CEO である Mark Britt 氏は、以前の定額のみのアプローチは戦略的に間違っていたことを示唆した。

同氏はこう述べた。

欧米のエンターテイメントモデルは新興市場でも簡単に成功が見込め、その値段こそが顧客が最も気にする点であるというのは甘い考えでした。振り返ってみると、どれだけ表層的な視点なのか今なら分かります。

一方で Go-Jek はより幅広いサービスを提供することができる。交通や金融その他のオンデマンドサービスといった Go-Jek の一連のサービスの特典や割引が提供されるようになれば、ユーザは定額制サービスに登録しようという気になるかもしれない。これらの多様なビジネスを提供できるということは、同社が社内でコンテンツを制作するコストをカバーできるだけのリソースがあるということでもある。

動画ストリーミングプロバイダは「より低いコストで作ることができる、もしくはお金が余分に多少かかっても喜んで払おうとする非常に熱心なファンベースを持つニッチなコンテンツ」に焦点を当てることで、顧客の心を捉え留めることができると Rogers 氏は述べた。

より幅広いメディア企業やテック企業グループの一部である大規模な OTT プレイヤーこそが、独自のコンテンツを制作する備えが最もできているのかもしれません。(Rogers 氏)

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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