gumiがブロックチェーン事業参入ーー30Mドル規模の暗号通貨ファンド設立でThetaなど5社に投資済み

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2018.5.30

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モバイルオンラインゲームなどエンターテインメントコンテンツを手がけるgumiは5月30日、暗号通貨およびブロックチェーン技術関連サービスに投資するファンド「gumi Cryptos」を設立したことを公表した。合同会社の形式で法人を設立し、ファンドとしてはこれに匿名組合のスキームを加えて使う。

ファンドサイズは3000万米ドルで、gumiとしては傘下のベンチャーキャピタル「gumi ventures」を通じて出資する他、その他10社ほどの国内大手金融機関などが参加する。これら出資企業名については非公開。ファンドの共同パートナーとして米国の暗号通貨取引所「Evercoin」の創業者で複数のファンドでもパートナーを務めるMiko Matsumura氏が就任する。

gumi Cryptosでは既に米国の暗号通貨関連事業に対して出資を完了している。具体的には暗号通貨の「Basis」、分散型ゲームコンテンツ配信プラットフォームの「Robot Cache」、シェアリングの「Origin」、懸賞プラットフォームの「Pryze」、分散型の動画配信の「Theta」の5社となる。

なお、本ファンドについては暗号通貨評価サイト「Bitinvestors」を運営するUniconがトークン管理等のサポートを実施する予定。

SAFTーー「クリプトファンド」未公開企業への投資方法

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gumi代表取締役の國光宏尚氏(著者撮影/2017年5月)

未公開の株式投資、特にスタートアップ投資については普通株の他にも種類株やコンバーティブルノートのように後で転換する手法など様々な手法が編み出されてきた。国内でもここ10年ほどでこれらフォーマットが成熟している感がある。

一方で暗号通貨を通じた出資というのはこれらと似て非なるものだ。巷でよく話題にあがる「ICO」はどちらかというと株式投資よりもクラウドファンディングに近く、例えば株式の議決権のような法人をコントロールする権利は通常含まれない。一方で配当のような「Airdrop」のスキームや、取引所での売買差益など証券と似たような機能を持っていることから議論を呼んだ。

このような違いがあるなか、クリプトファンドはどのような手法で未公開企業に投資し、回収をするのだろうか?gumi代表取締役の國光宏尚氏によれば、SAFTというスキームを使うのが現在の通例なのだそうだ。

そもそも暗号通貨への投資は最初「クラウドセールス(ICO)」から始まった。誰もがトークンを購入することが可能で、プロジェクトへの期待値によって値動きした結果を開発費などに充てる手法が爆発的に広がったのはご存知の通りだ。取引所で扱うことを「上場」と呼び、証券のような扱いを始めたのもこの頃からになる。ただこの手法では通常の証券市場が積み上げてきた投資家保護の手法が全く適用されず、詐欺が大量に発生した。

そこで次の手法として適格投資家のような一部の有識者、富裕層にのみ販売する方法に移行し、結果的に採用されたスキームが「SAFE(Simple Agreement for Future Equity)」のトークン版「SAFT」になったそうだ。

SAFTの詳細は割愛するが、最初に初期開発費を提供してプロジェクトの開発を進めてもらう。その後、無事にプロジェクト開発が完了し、取引所等で一般のユーザーでもトークンを売買できるようになった段階で、ファンドはそれらを優先的に購入することができる、というようなスキームになる。

今後、初回出資時は通常の株式や優先株で実施し、その後にトークンと転換するような発展的スキームも考えられるという話もあった。なお、gumi Cryptosのファンドは全てドル建てで、出資時に暗号通貨立てで購入する必要がある場合はそのタイミングでのレートで支払うという話だ。

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