iZettleを過去最大額で買収したPayPal、過去の買収トップ5を振り返る

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Photo by Cytonn Photography on Unsplash

PayPalは17日、欧州におけるSquareの競合である iZettle を22億ドルで買収する予定であることを発表した。このニュースは、欧州のテックスタートアップが目指すところについて疑問を投げかけるものかもしれない。とりわけ、iZettleが最近上場する意図を表明していたことを考えると。同時に、PayPalの欧州で実店舗を加速させたいという強い意欲を示す動きでもある。

だが、iZettleの買収は、PayPalの過去の買収と比べるとどのような位置付けになるだろう? 振り返ると、iZettleの買収は、PayPalの過去の買収額を大きく引き離すものであることが分かった。

以下は、過去のPayPalによる買収トップ5だ。この中には、実質はPayPalのかつての親会社であるeBayによる買収となったものも含まれる。

1. Xoom(2015):8億9000万ドル

国際送金サービスのXoomをPayPalが8億9000万ドルで買収したのは2015年のことだ。これは、PayPalが親会社のeBayからスピンアウトする前の最後の買収となった。サンフランシスコを拠点とするXoomは、現在もPayPal内で独立したサービスとして運営している。

2. Braintree(2013):8億ドル

モバイル・ウェブ決済企業のBraintreeは、2013年にPayPal事業の一部となった。この買収案件をクローズする上で、PayPalは8億ドルを支払った。Braintreeは今もPayPalの主要な事業部署で、世界中のeコマース企業の決済を仲介している。

3. Paydiant(2015):2億8000万ドル

PayPalは2015年にモバイル決済スタートアップのPaydiantを2億8000万ドルで買収した。現在も同じブランドのままPayPalの一事業として運営されている。Paydiantは販売者と銀行向けに様々なサービスを提供しており、自社のモバイルウォレットをつくりたい企業向けのホワイトラベルプラットフォームなどがある。

4. Tio Networks(2017):2億3800万ドル

PayPalはカナダの請求書決済サービスTio Networksを、昨年の夏に2億3800万ドルで買収した。だが、万事順調だったわけではない。昨年の終わりには、データ漏洩とプラットフォームのセキュリティの脆弱性への懸念から、Tio Networksの運営が停止となった。

3月、PayPalはTio Netoworksを永久に閉鎖する準備に入ったことを発表した

5. Swift Financial(2017): 1億8300万ドル

PayPalは、デラウェア州拠点のSwift Financial を昨年買収した。2013年にローンチしたスモールビジネス向けの資本プログラムの拡張を視野に入れてのことだった。買収額は当初明かされていなかったが、その後の米証券取引委員会の報告によると、買収額はおそよ1億8300万ドルほどであったとのことだ。

PayPalは、これまでの20年の歴史の中で13の買収を行なったことで知られる。全案件の買収額は分からないものの、iZettleの買収がそれまでの最大額の2.5倍であったことは確かだ。そこまでしても、PayPalは欧州で実店舗を広げていきたいのである。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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