Jack Dorsey氏率いるSquare、ホスティングサービスWeeblyの取得をはじめ買収攻勢を継続——世界展開を示唆

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Photo credit: DigitalMajority on Visualhunt / CC BY-NC-SA

600万の新規ユーザ獲得、2四半期連続の黒字確保など Twitter の復活が騒がれているときに、同社共同設立者兼 CEO の Jack Dorsey 氏がこの会社だけでなく別の上場企業にも関わっているとは思いもよらないだろう。

Dorsey 氏が Jim McKelvey 氏とともに2009年に設立したモバイル決済・金融サービスの Square は実際のところ、様々な面で Twitter をアウトパフォームしており最近も継続的に堅調な利益を確保している。このトレンドを受け Square の株価は3月、過去最高値の55米ドルほどになり、数年前の IPO 価格(9米ドル)からすると驚異的な500%の上昇となっている。他方、Twitter の株価はここ数年26米ドルの IPO 価格を下回っていた。最近ようやくこの水準を上回るようになり、現在は30米ドル近辺で推移している。

Twitter は、(偽の)情報を拡散するために使われたソーシャルプラットフォームの1つとして常時監視の目にさらされているが、最近の情勢は好転している。しかしながら、予想以上の成功を収めているわけではない。一方の Square は、控えめながらも日増しに力をつけている。

買いあさり

そうした環境のなかで、Square は成長を目指すための手段として買収を強化している。Square は昨日(4月26日)、仲間ともいえるサンフランシスコ拠点の Weebly を3億6,500万米ドルで買収した。ウェブサイトの制作およびホストサービスとして有名な Weebly は、Square にとって導管としての役割を果たしていくだろう。Square は Weebly の既存加入者からもたらされる収益にアクセスできるだけでなく、カードリーダー、ソフトウェア、決済サービスといった Square の自社製品を小規模企業にクロスセルできるためだ。

Square セラー部門を率いる Alyssa Henry 氏はこう述べている。

オムニチャネルコマース事業は、2018年度における最注力分野です。注文の管理、契約、決済から始まり、ウェブサイトの構築、事業の運営は手間のかかる仕事なので、世界中の起業家たちは、強力で直観的なツールを必要としています。Square と Weebly を活用していただけば、セラーの方々は事業を構築していく上でワンストップのソリューションを手にすることができるでしょう。

1週間前(4月第3週)には、Square は Zesty(少なくともその資産の一部)を金額非公表で買収したばかりだ。Zesty は、Square が有する食品注文プラットフォームの Caviar を、最新のメニュー計画とスマートな注文管理ツールで強化していくために活用される予定。3ヶ月前(1月)には、Square はフォートワースを拠点とする Entrees On-Trays を買収している。その買収により、Caviar のプラットフォームに数十の最新レストランの顧客が加わった。

2018年の第1四半期が終わらない間に、Square は創業以来かつてないほどのペースで企業買収を行っている。事実、Square が昨年に買収した企業はわずか1社にすぎない。OrderAhead の買収は、やはり Caviar の強化が目的だった。それより以前、2013~2016年の間に Square が買収したのは毎年2社ずつ、2011~2012年にはそれぞれ1社だった。

Weebly の買収は、これまでで知られている中では14件目にあたる。しかし Square が企業買収を行うペースは加速しているようだ。こうした買収を通して Square が製品を多角化させている方法もまた注目に値する。つなぎ留めておくための付加価値サービスを既存顧客に提供できるだけでなく、顧客あたりの収入を増やせる可能性もあるからだ。

しかし重要なのは、複数の競合企業がファーストムーバーもしくはセカンドムーバーのアドバンテージ(先行者利益)を享受している新規市場への進出を Square が目指しているなかで、ありとあらゆるアメとムチが必要になるだろうということだ。Weebly にはアメリカ国外に62万5,000人もの有料会員がいるため、Square がすでに進出しているカナダ、日本、オーストラリア、イギリスといった国際市場で成長を図る良い機会が生まれるほか、新規市場での影響力を発見する手助けにもなるだろう。

Square は昨日(4月26日)以下のようにコメントした。

Weebly が持つ有料会員の約40%はアメリカ国外にいるので、Square が世界展開を加速させていくのに役立つでしょう。

昨年のイギリスローンチに際し、Dorsey 氏は同社がすでに世界展開を見据えているとほのめかしていたが、具体的な進出地域は明らかにされなかった。

同氏はこう述べていた。

当社では次なる市場を目指していますが、その市場が繁栄していることを確認する必要があります。その確信が得られれば、増強を続けていくことになるでしょう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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