10秒献立作成アプリ「タベリー」がAndroid版リリース、「2月にもう完成していた」が公開しなかった理由

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同社のチームメンバー :中央左が取締役CTOの石川洋資氏、中央右が同社代表取締役CEOの矢本真丈氏 / 同社提供

10秒で献立作成できるアプリ「タベリー」を運営する10Xは5月21日、同アプリのAndroid版リリースを発表した。ダウンロードは無料でAndroid5.0以上に対応している。

タベリーはアプリ上で提案される主菜・副菜・汁物のレシピを選択していくことで、1食分の献立を約10秒で作れるアプリ。料理研究家や料理教室から提供される6000件以上のレシピが、1回に4レシピずつ提案される仕組みになっている。月間5万件の献立が作成されており、アプリのダウンロード数は数万DL、週3〜4回利用するユーザーもいるそうだ。

Android版の公開以前にリニューアルを重ね、「半年間で20ほど追加した機能を10機能以上なくした」と話す同社代表取締役の矢本真丈氏。昨年12月にサービスを公開したばかりにもかかわらず、機能を減らし続ける開発体制について同氏に話を聞いてみた。

「タベリーは、もともと意思決定や買い物が面倒、という課題を解決するためのアプリなので、メインの機能をより簡単に使えるように機能を削っています。毎週アップデートしていますが、はじめから削ることも想定内で、ユーザーが複雑に感じる部分を排除し、逆に見えないアルゴリズム部分を強化しています」(矢本氏)

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リリース時に紹介されていた画像右の「みんなの投稿」は既になくなっている

具体的には、「人が作っている献立は作りたくなるかもしれない」という仮説で作られたSNS機能やアプリのファーストビューであったカレンダー表示もなくなっている。その他、検索の条件指定、あまりモノからレシピを探す機能も削除された。

逆にカロリーを計算するためのデータ精度の向上やレシピを評価する仕組みといった「当たり前だけど、ちゃんとやってくるところが少ない」アルゴリズム部分に関しては追加や改修を進めている。

「データ検証を重ねる中で『シンプルなつもりでもユーザーにとって複雑だった』部分は発見されるので、ファクトやユーザー行動に基づいて改善していきます。たとえば買い物リストはリリース後によく使われていたので、グループ機能や共有機能を追加した結果、数百UUを保持する機能になりました」(矢本氏)

Androidは「2月に完成していた」

同氏は、アプリの正式リリース時の取材で「2、3月頃にAndroid版をリリースする見込み」と話していた。実際、その時点でAndroid版を公開する準備は整っていたというが、あえて公開しなかったそうだ。

「ユーザーが増えすぎるとデータが濁ってしまうので、まだiOS単体で価値を上げられるフェーズと判断し、公開はしませんでした。開発を進めていたので、正直着手前に僕が意思決定できればよかったのですが、リリース後のユーザー行動や分析結果を踏まえてユーザーが満足する状態をまず作ろうということになりました」(矢本氏)

同氏は、2018年4月にスクリーンショットだけを選んで1タップで削除できる「スクショケシ」というプロダクトを仮説検証的に公開し、「1on1で問題と明確につながるプロダクトはユーザーに使われる」結果になったそうだ。実際、iPhoneの写真アプリ内でも5回のタップで同様の作業は可能であるが、「わかりやすく課題を解決できる」ことが重要であると同氏は話す。

今後はレシピの拡充を実施し、選択率の高いレシピの充実を目指すことで「実際にタベリーを見て料理を作る人」を増やしていく方向性だ。

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