Webマーケティングサービスのベーシック、B2B特化型アクセラレータ「B-SKET」をローンチ——田所雅之氏の著書「起業の科学」を実践展開

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ベーシックのオフィス
Image credit: Basic

Webマーケティングサービスや比較メディア事業を展開するベーシックは21日、B2B 特化型アクセラレータ「B-SKET」をローンチすると発表した。初期バッチの募集は本日開始され、締切は7月14日。プログラムの実施は、7月20日から約3ヶ月半にわたって展開される。

企業がコーポレートアクセラレータをローンチするのは珍しくなった昨今、B-SKET を特徴づけるのは「起業の科学(日経 BP 刊)」を著した起業家/投資家の田所雅之氏が、ベーシックのチームストラテジックオフィサーとして、プログラムに深く関わる点だろう。「起業の科学」は起業へのアプローチとして論理的に完成している反面、言うまでもなく、実際に起業するには読者が得た知識を行動に移して実践してみる必要があった。B-SKET は起業に関心を持つ人々に実践の場をもたらし、ハードルを下げる役割を担う。

田所雅之氏

2004年に設立されたベーシックは、Web マーケティングツールの「ferret One」やマーケティングメディアの「ferret」、Webページ作成サービスの「One Page」などを展開する中堅インターネット企業。元 Grow! の一ツ木崇之氏が執行役員を務めるほか、フルセイル代表の有賀之和氏もまた執行役員であったり、コンタクト管理ツール「formrun」を運営していた mixtape の堀辺憲氏はベーシックに事業売却後、自身の新規事業を立ち上げつつベーシックのコーポレートコミュニケーションブランド戦略室長を兼任するなど、パラレルキャリアの実践に寛容なのだという。151人いる従業員のうち、およそ20名ほどが何らかの副業または別の仕事を持っているらしい。

したがって、ベーシックが B-SKET に期待するところは、長期的には事業拡大に向けた買収やアキュハイヤーにありそうだ。ベーシックは B-SKET を通して、マーケティングや比較メディアに集中している現在の事業モデルを、B2B 全体にまで広げ多角化できる可能性を見出すことができる。アクセラレータに参加するスタートアップにとっては、潜在顧客の紹介を含む営業チャネルがもらえたり、ベーシックの代表取締役である秋山勝氏ほか、外部有識者によるアドバイスやメンタリングがもらえたりするメリットがある。

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コーポレートアクセラレータの中には、アクセラレーションに精通した人材が不足し、資金や場所など以上のリソースを提供することができず、プログラム終了を余儀なくされるところが相次いでいる。B-SKET においては、その道のプロフェッショナルである田所氏が関与していることで、これまでに無かったアクセラレータプログラム体験が生み出されることに期待したい。初期バッチの輩出チームは、今年11月以降に開催されるデモデイで披露される予定だ。

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